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flying 〜The sky story〜 33 辿り着いたソコには、やはり巨大な竜が街を破壊していた。 「火を吐いてる・・・クリムゾン・ドラゴンですね」 竜は属性と色で別けられている。 属性でわけられているものよりは、色でわけられているものの方が力は弱い。 ・・・が。 「でも・・・竜は種族としては少ないものですよ?いくら力の弱いクリムゾン・ドラゴンでも、こんな街を襲うなんて・・・」 「なんて言ってる場合か!倒すぞ!」 しかし、まさか力を使う訳にはいかない。 太一たちは武器を取り出して肉弾戦に挑もうとする。 竜もこちらに気付いたのか、身体の向きを変える。 ギャオオォオオォォオオッ!! ものすごい雄叫びを上げながら、竜が炎を吐き出す。 8人は分散し、攻撃の苦手なミミ、光子郎、ヒカリ、丈は後方へと下がり、支援にまわる。 「っ!」 まず太一と空が身軽に竜の身体を登っていき、至るところに傷をつけていく。 だが、竜の皮膚は人間の数十倍も固い。 そう簡単に致命的な傷は与えられない。 「空っ!目を狙うんだ!」 「馬鹿!二人とも一回降りて来い!」 そんな二人を地上から見ているヤマトたちは気が気ではない。 法術が使えない今、振り落とされたらただではすまない。 が、二人はその言葉に耳を傾けずにそのまま頭部へと登っていく。 「〜〜〜っ!ああ!もう!!」 「兄さんっ!?」 ヤマトも竜の身体を登り出そうとする。 しかし、それは後ろから肩を掴まれた事で阻まれてしまった。 苛立たしげに振り返り、そこで少し驚いた。 「・・・お前・・・」 そこには先程の少年・・・シリアが居た。 「大丈夫・・・僕がやるから・・・」 「は?やるって?」 ヤマトが聞き返すが、シリアは小さく笑うだけで答えない。 「キミたちは下がってて。大丈夫だから」 「で、でもあそこには太一さんたちが」 「いいから!」 シリアに強く言われ、ヤマトたちはたじつく。 「・・・大丈夫なんだな・・・?」 ヤマトが再度確認すると、シリアは力強く頷いた。 ヤマトは武器を下ろし、ポカンとしているタケルの腕を引っ張り、ヒカリたちの居るところに行く。 「ちょ・・・!兄さん、いいのっ!?」 「魔術が使えないこの状況じゃ、一旦ヤツに任せるしかないだろ!」 状況を見守っていた4人は、いつ魔法術を使えてもいいようにタリスマンを外す準備をしている。 「あの子・・・何する気なの?」 ハテナマークを浮かべつつ、ミミが覗き見る。 それは竜を登っていた太一も空も同様だった。 そんな視線をヨソに、シリアは一つ大きな呼吸をして、唄い始めた。 その唄を聴き、一番驚いたのは、ヒカリだった。 「・・・この・・・唄・・・っ」 耳に凛と響く、その―――――――。 「天・・・聖歌・・・?」 シリアの周りには法力の光の粒子が円状に囲み、それは上へと昇華されていく。 「でも・・・なんで・・・?なんで人間の子が・・・しかもこの歌詞、聞いたことが無い・・・」 天聖歌は天使独特の唄で、人間が唄う事は無い。 人間には人間の唄があり、天聖歌を唄うのには人間の身体がその力に耐え切れないのだ。 そしてまず、天聖歌が人間界に漏れると言う事はまず無いのに・・・。 「・・・でもこの歌詞・・・」 「ヒカリちゃん?」 隣りに来たタケルが、眉を寄せているヒカリに視線を向ける。 「・・・こんな歌詞、聞いた事無いわ・・・」 「・・・えっ?」 『歌唄い』のヒカリは、天聖歌は網羅しているはずだ。 そのヒカリに、知らない詩があるなんて・・・。 その間にもシリアは唄い続け、竜の様子が変わってきた。 グルグルと喉を苛立たしげに鳴らすものの、暴れたりはしない。 シリアの方を見てはいるが、襲い掛かる仕草さえしない。 そうやってシリアが唄い終わると、何と竜が大人しくなっていた。 シリアが手を竜に差し伸べると、竜はその巨大な体躯を寝かせ、その掌にチョコンと顎を乗せた。 グルグルと機嫌が良さそうに喉を鳴らし、瞳を細める。 「え?ぇえっ?!」 太一と空は信じられないと言うように眼を白黒させている。 シリアは懐いてくる竜の喉を掻いてやりながら、優しく竜を諭す。 「ここはキミが居ていい所じゃないんだ。いい子だから、みんなの居る所へお帰り」 言われると、竜は哀しげに一鳴きした後、肩の太一と空をそっと降ろすと踵を返した。 そして、ポカンとしている8人を尻目に、森の方へと帰っていった。 ・・・完全に竜の姿が見えなくなると、隠れていた街人たちがぞろぞろと姿を現し始めた。 「シリア!」 声を張り上げて駆けて来たのは、先程シリアに頼んでいた中年の男だ。 「ありがとうシリア!おかげで助かったよ・・・!」 「いえ・・・無事でよかったですよ」 シリアが笑うと、男はもう一度シリアに礼を言い、去っていった。 それを見届け、まずシリアに寄って行ったのはヒカリだった。 ヒカリが神妙な顔でシリアを見ると、シリアは少し驚いた顔でヒカリを見返した。 「・・・さっきの――――」 「?」 「さっきの詩・・・なんであなた、天聖歌が唄えるの・・・?」 ヒカリの質問に、シリアは眼を少し見開いた後、視線を伏せた。 「・・・てん、せいか・・・」 そして、喉をそっと手で押さえた。 「そっか・・・この詩は・・・天聖歌って言うんだ・・・」 知らなかった。と呟くシリアに、今度はヒカリたちが驚く。 「し、知らなかったって・・・」 シリアは喉を押さえる手を退け、視線も再び正面・・・ヒカリたちを見据えた。 「僕は昔からこの詩を唄えたんだ。・・・でもどこで覚えてなんで唄えるか、どうしてこんな効力を持っているのかもわからないんだ」 その言葉には、8人も言葉を失ってしまう。 「た、太一・・・」 困った空は、太一に意見を求める。 太一は考えるように腕を組んでいたが、人通りの激しくなってきた道を見て、一度腕を外した。 「とりあえずどこか店に入ろう。話をするのも聞くのもそれからだ。・・・いいよな?シリア」 シリアは考えるように太一の方を見る。 「・・・キミたちはこの力について、なんかしてるんだね?」 「ああ。とりあえず今のお前よりはな」 太一の言葉に、シリアは少し躊躇した後、太一のほうに向かって歩き出した。 コメント リハビリっぽく。 あ〜書きたいのに時間が・・・!!(号泣) もっと話をしっかり中身のあるものにしないと〜〜〜っ!! |