flying 〜The sky story〜 28

「改めましてこんにちは、それからお久しぶりですv」
そういい、ようやくノームから離れたシルフはペコリとお辞儀をした。
「・・・久しぶり・・・?」
その言葉に、タケルが首をかしげる。
「だって私、アレクタリスにいたんですもん。あなたたちに会った事があるし、あなたたちだって私に会った事はあるわ。
話したことがないだけでv」
言って、シルフはニコ〜っと幼い笑みを浮かべた。
普通の人が見たのなら、おしゃまな女の子だなぁと思うだろう。
「って事はやっぱり・・・」
「はいv私が風の属性王ですv」
それからぁ〜・・・とシルフは続け、ノームをちらりと見る。
はっとノームが気付いた時にはもう遅く、シルフがまたノームにしがみついていた。
「ノームちゃんの未来の妻ですv」
『妻ァっ!?』
面白いくらいに4人の声がハモった。
ノームは、またシルフを離そうと必死にもがいている。
「はーなーせって言ってるだろ!?だいたい、誰が誰の妻だよ!!」
「シルフが、ノームちゃんのv」
えへvとシルフが可愛く笑う。
「何でオレがお前と結婚しなきゃ何ねェんだよ!」
大体、お前本当は女じゃないだろ!」
「そんなの関係ないのー」
「精霊は結婚なんてしない!」
「でも、好きって言う感情はもってるもーん」
「だいたい、姿だって」
「ノームちゃんがそう言うかっこうしているから、私もこんなんだもん」
「反対属性だし」
「属性だって、強くなれば最強の相性になるわvvv」
ノームも言い返す言葉が無くなり、黙ってしまう。
シルフは勝ったとばかりにノームに抱きつく。
その様子を、4人は呆然と見ていた。
・・・精霊には性別が無い。
例えばイフリートが鳥の姿から女性の姿に変われるように、精霊にはしっかりした『カタチ』と言うものが無い。
なので、自分の意思で自らの姿を変えることが出来るし、精霊は有性で他の精霊は創れない。
精霊は、その属性の中から生まれてくるものなのだ。
そこで自ら成長し、力を強くしていくのだ。
「の、ノーム・・・?随分懐かれてるようだけど・・・」
空が恐る恐る声をかけると、ノームが泣きそうな目でこちらを見てきた。
「オレが望んだんじゃないの!」
そういい、ノームはまたシルフを引っぺがす。
そして、もう一度くっつかれない内に、空の後ろに隠れた。
「も〜ノームちゃんったら恥ずかしがりやさんなんだから〜!」
シルフはその後を追い、ノームにまた抱きつこうとする。
「だから、やめろってば!!」
シルフの手を逃れ、また(一方的な)追いかけっこが始まる。
「・・・え、えーっと・・・シルフ・・・?」
「?なぁに?四翼の天使さん」
シルフはノームを追いかけるのを中断し、太一の方を向いてニッコリと笑う。
太一はちょっとその笑顔にたじついたが、すぐにまた口を開く。
「キミが・・・その、風の属性王なんだよね?」
「うん。そうよ♪」
えへvとまた可愛らしく笑う。
「さっき、アレクタリスが反応しなかったんだけど・・・」
「それは多分、私が風に乗ってきたからだと思うの。
早いから、アレクタリスが反応しきれなかったんじゃないかしら?」
なるほど、と太一は納得する。
「えと・・・じゃあ、アレクタリスに・・・また、戻って欲しいんだけど・・・」
あ。というように、シルフの顔がなった。
「そっかそっか。どうだった〜」
失敗失敗☆と、シルフは自分の頭を小突く。
「ノームちゃんは、もう契約したんでしょ?」
「そうだっ」
そう言い、ノームはまた空の後ろに隠れる。
「そっかぁ・・・ノームちゃんも居るんなら、私も契約して良いかなっ」
「ほっホントか!?」
「うんv」
シルフはまた可愛らしく頷いた。しかし、その後で、『でも』と続けた。
「何にもしないで契約、何てしないわ。ウンディーネお姉ちゃんとかならしそうだけど。
お姉ちゃんは人の心に敏感だから」
当たってる。と4人は思ったが、口には出さなかった。
「だーかーら。私からもちょっとした『課題』を出させてもらうのv
あ、戦う〜とかじゃないから平気よv」
ノームはそういうと、4人を何往復も見始めた。
「そのお姉ちゃんは、ノームちゃんと契約してるからダメー・・・それからぁ・・・」
そう言ったシルフの眼が、タケルでピタリと止まった。
「・・・あれぇ?あれあれあれぇ・・・?」
シルフは穴が開くほどタケルを見た。
さすがのタケルも、属性王に思いっきり見られたとなれば、たじつきもするだろう。
そんなタケルたちの疑問を意にも介さず、シルフはノームの方をチラリと振り返る。
ノームは何も言わず、シルフを見つめて・・・いや、睨んでいる。
しばらくそうした硬直状態が続き、先に目を逸らしたのはシルフだった。
「ま、いっか。・・・じゃあ、四翼の天使さんと、そこのメガネのお兄さんにし〜よおっと」
そういい、シルフは掌を二回、パンパンと叩く。
「・・・?うわっ」
「へあっ!?」
すると、二人が薄い碧色の膜に包まれた。
「これから、私からあなたたちに試練を与えるの。見事クリアできた方と、私は契約するわ」
と、二人の足元が徐々に消え始める。
「太一!丈先輩!!」
「太一さんっ!丈さんっ!」
駆け寄る二人を止めたのは、ノームだった。
「大丈夫だよ。いくらシルフが気紛れな性格だからと言ったって、殺すまではしないよ」
「でも・・・!」
「・・・それに、ねぇちゃんが望むなら、オレが助けに行くから・・・」
ノームに言われ、ようやく二人は消え行く二人を追うのをやめる。
それを確認してから、シルフはさらに言葉を続ける。
「魔術も法術も、もちろんアレクタリスを使うのも全然OK。
内容は、入ってからのお楽しみvわかった〜?」
心の準備の出来た太一はただ頷いたが、丈はまだアワアワしている。
「じゃ、健闘を祈りまっす♪」
言い終わった途端、二人の姿が消えていった。



☆NEXT☆


コメント

いっきなりのハイテンション(笑)
シルフは書いてて楽しいなぁ(大笑)
これからもノームと一緒のところを書いて行きたいなぁ♪