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one-sided love 2 炎山へのメールを頼み、帰ってきたロックマンの様子がヘンで、熱斗はなかなか声をかけられなかった。 「・・・ロックマン・・・?」 ようやく声をかけると、ロックマンはいつもの笑顔で熱斗のかけた声に応えた。 「何?熱斗くん」 それでも、長く付き合いのあり、一番の理解者である熱斗が、ロックマンのその見せかけの『普通』を見抜けないはずが無かった。 「・・・何か、あったのか・・・?」 熱斗の言葉に、ロックマンは驚いた表情を浮かべた後、痛いような苦笑を浮かべた。 「うん・・・ちょっとね・・・」 ――――――ツキリと・・・ 「でも大丈夫だから!ごめんね、心配させちゃって・・・」 無理矢理笑みを作ると、熱斗もそれ以上検索するのをやめたのか、 「そっか。ならいいけどな」 と言ってくれた。 「うん。ありがと、熱斗くん」 胸が、痛い・・・・・・。 ピピピッ♪ 独特の機械音を立てて、メールを受信した事をPETが告げる。 「熱斗くん、炎山からだよ」 そう言うと、ベットで寝転んでいた熱斗が嬉々として、PETのある机まで転げるように来る。 「いった・・・!な、なんだって?」 転ばなかったかわりに椅子に頭をぶつけ、ソコを押さえつつロックマンに涙目をよこす。 「今、開くね」 苦笑を浮かべつつ、ロックマンはメールを開封する。 文を目でおいかけていくにつれ、熱斗の表情がだんだんと緩んでいく。 そして最後まで読み終わると、熱斗の顔はもう見てる方が恥ずかしいってくらいにゆるゆるだった。 「炎山、何だって?」 ロックマンが聞くと、熱斗はよくぞ聞いてくれましたとばかりにPET・・・ロックマンに顔を近づけた。 「炎山な、今週の日曜日によ〜やく休みが取れるんだってさ!で、一緒に遊びに行こうってっ」 「『遊び』じゃなくて、『デート』でしょ?」 ロックマンが半分嫌味を篭めて訂正すると、熱斗の顔は赤味を帯びた。 「ま、まぁ・・・そうとも言う」 「まんまのくせに」 「なにおー!!」 熱斗はピチっとPETをでこピンの要領で弾く。 ロックマンは笑いながら、ゴメンゴメンと謝った。 「あ、そうだ。ブルースも一緒に来るんだってさ。ナビも一緒に遊べるトコに行くって言ってるから、ロックマンももちろん来るだろ?」 熱斗に聞かれると、ロックマンは一瞬表情を固まらせてしまった。 「ごめんね。僕、その日はちょっとロールちゃんと約束があるんだ」 そういう自分のナビに、熱斗は今度こそ眉を潜めた。 「・・・なぁ・・・最近お前、ブルース避けてねェか?」 核心を突かれ、ロックマンは今度こそ動揺を隠せなかった。 「・・・そんなこと、無いよ・・・?」 俯き、声も小さい。 もともと嘘をつくのが苦手なロックマンは、これ以上熱斗を騙しきれなかった。 それでも、熱斗に心配はかけたくない。 今でも心配をかけているかもしれないが、ブルースの事を話したら、熱斗は炎山との久々の逢瀬を心のソコから楽しめないかもしれない。 それ以上心配をかけるくらいなら、意地でも言わない方がマシだ。 しばらく沈黙が流れるが、それを破ったのは熱斗の溜め息だった。 「・・・お前が言いたくないなら、オレは無理には聞かない。・・・でも、言えるようになったらいつでも言ってくれよな!」 「―――――うんっ・・・ありがと、熱斗くん」 俯いた顔を上げ、ロックマンはようやく笑んだ。 熱斗の言うとおり、あれ以来ロックマンはブルースを避けていた。 メールの受け取りも、PETのシステムに任せている。 元々、ブルースは淡白な性格だし、忙しい。 会ったってすぐ炎山の元に帰ってしまうし、自分に会って得がある訳でもない。 現に、今までブルースがロックマンが出るまで待っていた事は無い。 少ししてロックマンがブルースの元に来なければ、ブルースはすぐにポスト型のPETプログラムにメールを届ける。 ・・・会ってどうなると言うわけでもない。 ―――――いや、どうにかなった方がまだいいかもしれない。 それはもしかしたら、ブルースの心の中に『ロックマン』というものがしっかりとあるかも知れないから。 でも、久しぶりに会って、いつもと同じように接せられたら・・・。 そこまで考えて、ロックマンは頭を振る。 「・・・ばかみたい・・・」 こんなにも、自分の心は一人のナビに振り回されている。 ブルースの心の中に、『自分』というものがあるのなら嬉しい。 でもそれは、炎山という人物に比べればとてもちっぽけなものだ。 簡単に塗りつぶされてしまう。 「・・・ほんと・・・バカみたい・・・」 心が、キシリと音を立てた。 その頃、ブルースは仕事の手を止め、溜め息をついていた。 どうもおかしい。 ロックマンの様子が。 いつもなら、メールを届けに来た自分を笑顔で迎えてくれる。 毎回自分のPETに寄ってかないかと誘ってくれ、たまに乗るととても嬉しそうに笑う。 ロックマンが一方的に話している状態でも、自分が小さく頷いただけで、ロックマンはまた話題をくれる。 コロコロと変わる表情を見ているのは確かに楽しかったし、無愛想な自分にいつも話し掛けてくれるというのがとても嬉しかった。 なのに、今はPETから現れもしない。 ここ数日は顔も見ていない。 そういえば、メールの受け渡しで実は結構顔を会わせているのを思い出した。 「・・・まぁ、今週の日曜には会えるだろう」 そこを提案したのは実はブルースだった。 前に、ロックマンが取っているメールマガジンを見ていた時に乗っていたパークランドで、行って見たいなぁと漏らしているのをブルースは忘れていなかったのだ。 ロックマンの喜ぶ姿を思い浮かべ、ブルースはまた仕事に取り掛かった。 「ロック、本当に行かなくってよかったの?」 日曜、ロックマンはメイルのPET・・・ロールのところに居た。 「え?何が?」 「アミューズメントネットパーク。ロック、前から一度行って見たいって言ってたじゃない」 「んー・・・ちょっとね・・・」 良い言い訳理由が見つからず、ロックマンは適当に濁した。 どうせ、ロールに言い訳してもすぐにばれてしまうが。 「・・・ま、ロックが悩む事なんて、だいたい検討はつくけど」 そういい、ロールは淹れたココアを一口。 それから、不敵な笑みを浮かべた。 「当ててあげましょうか?・・・ブルースの事でしょ?」 「・・・・・・」 ロックマンはロールの顔をじっと見ていたが、ロールはニコニコを笑うばかり。 はぁ。とロックマンは抵抗をやめ、ソファーに背を埋めた。 「もう。ホントにロールちゃんには敵わないや。・・・そ、ブルースが原因」 ロールは、してやったりと言う満面の笑みを浮かべる。 ここまでロックマンにズバリと言えるのは、ある意味ロールだけだ。 ・・・こういうところは、オペレーター同士似たのかもしれない。 「で、話してくれる?私はそこまで聞く気は無いけど」 「顔に『聞きたい』って書いてあるよ?」 ロックマンが笑いながらロールを指摘する。 ロールは『ばれたか』とばかりに、舌を出して笑う。 「・・・でも、別にロールちゃんになら話すよ」 「あら、それって特別って事?」 「うん。友達以上恋人未満かな?」 「ガールフレンド?」 「そんな感じ」 そう言いあい、二人はクスクスと笑いあう。 それから、笑顔を引っ込め、ロックマンはロールが淹れてくれたココアに視線を落とした。 「・・・ブルース、炎山の事ばっかり見てて・・・。 ・・・前にメール届けに言ったら、途中で炎山から呼び出しかかってね。僕に見向きもせずに言っちゃったんだ」 「でも、そんなの前からじゃない」 ロールがフォローするが、ロックマンは視線を上げない。 「うん・・・でも、決定的に思い知っちゃってさ・・・僕は、ブルースの心には入り込めないんだって・・・」 心が痛い。 キシリとヒビが入っているようだ。 「・・・そっか・・・」 下手な慰めはしない。 それもロックマンの好きなロールの性格だ。 ブルースとは違う意味で、ロールはロックマンにとって大切な存在で、安らげる存在だ。 「でも、もう会わないつもりなの?」 「・・・会わないんじゃないんだ・・・」 ロックマンはココアをテーブルに置いた。 「会えないんだ」 会ってしまったら、弱い部分を見せてしまいそうになる。 そうやって自分を主張して、これ以上距離が離れてしまったら、本当に自分は壊れてしまうかもしれない。 ・・・今だって、こんなに胸が痛い。 「ロックは素直すぎるから」 ロールはメットを外したロックマンの頭をポンポンと撫でる。 ロールも、今はメットを外している。 「歪曲して物事を見れないから、そうやって苦労しちゃうのよ。 一回、ブルースに会ってみたらいいのに」 ロールの言葉に、ロックマンは応えられない。 ・・・その勇気が、出ない。 二人の声が止み、音楽以外の沈黙が流れた後、ロールが苦笑混じりの溜め息が聞こえた。 「ま、ロックのしたいようにして。私はロックの味方だから」 ロールの笑顔にロックマンはホッと安堵の溜め息を漏らした。 「・・・うん。ありがと、ロールちゃん」 ロールの優しさが、今は本当に心にしみた。 コメント ロール大好きvvv あの髪型とか性格とか〜☆ 何か私の書くロール、ロックマンと一緒だと黒い気がしますが気のせいです。 純粋に私はロールが好きです(笑) ブルース知る前まではバリバリロックマンvロールでしたからv 今も実はそうだったりするんですがね!(大笑) |