flying 27

刻が、止まったのかと思った。
それほどまでに、周りの音が聞こえなかったし、今ヤマトのはなった言葉が、それだけの衝撃を与えた。
・・・・・・スキダ。
ひたとヤマトが太一に視線を向ける。
「・・・あ・・・・・・」
珍しく太一はヤマトから視線を逸らす。
「・・・オレは、わかんないよ・・・」
太一が沈んだように、シュンと顔を下に向ける。
「・・・俺のこと、やっぱ『そういう風』には見れないか・・・?」
「だって・・・」
太一は少し口ごもってから、小さな声で呟くように言う。
「・・・ヤマトはヤマトだ。それ以上でも、それ以下でもない。
ヤマトは、ヤマトなんだよ・・・」
自分に言い聞かせるように、太一はもう一度呟いた。
「・・・太一・・・」
ヤマトに呼ばれ、太一は前を向く。
「俺に告白されて、イヤだった?」
太一は少し間をあけて、首を横に振った。
ヤマトはそれを見て、ほっとしたように太一に近づいていった。
太一、と呼ぶと、太一の身体がビクリと震えたのがわかった。
「・・・ごめん、今のは忘れてくれ。いきなり言われたら、驚くもんな」
ごめんな、とヤマトはもう一度謝り、太一の肩に手をおいた。
「・・・まと・・・」
太一の目じりには、少し潤んだものが込み上げていた。
「ごめん。困らせるつもりはなかったんだ・・・」
太一は、再び眼を伏せる。
ヤマトの顔が見たくないのではなく、見れないのだ。
友人に、しかも同姓に告白するのは、とてつもない勇気と準備が要るだろう。
ヤマトは、それでも太一に告白してきた。
気持ちを決して一方的に押し付けないヤマトの態度に、太一は胸がしまるような思いがした。
「ヤマト・・・オレ・・・!」
太一がヤマトの方を向き、話そうとしたその時。
太一の後ろ側、つまり『風の境目』から何かが飛んできた。
『なにか』は太一の真横を通り過ぎ、下の街へと落ちていった。
ばっと、8人の意識がそちらに集中する。
『風の境目』の向こう側・・・堕天使領地には、高位階級のトーラとカインが立っていた。

カインが、なにやら印を組み、こちらに両手を差し出す。
「あの印は・・・っ!」
一番に反応したのは、ヤマトだった。
「太一!水の結界ってあるか!?」
「あ、ああ・・・もちろん」
いきなりのヤマトの質問に、太一はやや驚きながら答える。
「出来るだけ、大きく創ってくれ!!」
早く!!と丈たちからも促される。
「でも、なんで・・・」
「魔術だよ!!」
ヤマトが言い終わった途端、カインから大きな火炎の球がこちらに向かって飛んできた。
「ウ、ウォーターメンバリン!!」
空が、こちらにぶつかる間一髪のところで水属性の結界を築き、なんとか衝突はしなかった。
しかし、詠唱もなにも無いままで発動した法術が、詠唱あり、しかも高位階級の魔術に敵う筈も無い。
「だ・・・め・・・っ!押される・・・っ!」
徐々に空の身体が後方へと押されていく。
「空!」
太一たちが、加勢しようと詠唱を唱え始めると、ヒカリがそっと静止した。
「お兄ちゃん、私にまかせて」
ヒカリは、空に一歩近づくと、真剣な表情で、陣を切り始めた。
はやり胸元に、六亡星と十字を描いてから、詠唱へと移る。
「右手に宿りしは水を司るもの、『UNDINE』 ―ウンディーネ― 左手に宿りしは水を司るもの、『UNDINE』 ―ウンディーネ― を我はおく。
汝らの力を持ちて我に新しき力を与えよ・・・。
合成精霊(フリンジ・エレメンタル)『CELSIUS』 ―セルシウス― !!」
ヒカリは、まずセルシウスを呼び出した。
「我は汝の吐息より生まれし冷たき命。
虚空より生まれし礫の煌きにより我らを荒れ狂う焔より護りたまえ・・・。
汝、氷を司りしもの、『CELSIUS』 ―セルシウス― よ・・・。
我に氷霧の界を与えたまえ!
フリーズ・フローズン!!」
ヒカリが炎の前に手を差し出すと、みるみるうちに炎の周りに蒼い空気・・・いや、小さな氷たちが集まり始めた。
「クロウド!!」
ヒカリがきゅっと手を握る。
それに連結するように、氷のツブテたちも炎に飛び込んでいった。
数秒後、蒸気もあげずに炎は無くなった。
それを見ていた7人は、ほぉ・・・と関心したようにヒカリを見つめていた。
視線に気付き、ヒカリが少し頬を紅く染める。
「私、一応高位階級なので」
改めて、自分たちと高位階級の力の差を思い知らされた太一たちであった。



☆NEXT☆


コメント

ってゆーか長いのと短いの差がありすぎだ自分・・・。
さて、私大好きな戦闘シーン(クライマックス)に入ってまいりましたv
さーて・・・どうしよっかな〜・・・(固羅)