flying 14

丈からアドバイスを受けた太一は、結界を地上につくまで解除せずに続けた。
結果、前のように風の影響を受けるコトなくたどりつけるようになった。
「へへ〜☆と〜ちゃく☆」
太一はたどりつくと、結界を解除した。
パン、と薄いガラスが割れたような音と共に結界が壊れる。
「れっつ・ごー☆」
太一はゴキゲンで丈の家を目指す。
翼を隠すために大きなマントをすっぽりと被りながら。

同刻、丈の家・・・。
「わ〜いつ来ても丈先輩の家って本ばっか〜」
ミミはたたたっと落ちつき無く走りまわっている。
二人と遊べる事がそんなにも嬉しいのだろう。
対してヤマトと丈は落ち着きが無い。
そう。
今日は太一が丈宅へ遊びに来る日。
いくらミミがアッケラカンでもさすがに天位階級。
天使と会わせるわけにはいかない。
しかしミミを追い出せるはずが無い。
ヤマトが太一に来るなと言う為に外に出ようとするが、玄関に近付くたびにミミに引き戻されてしまい、往生周りが続く。
早くしないと太一が来てしまう!!
と、ますます心情荒れていく二人の耳に一番今聞きたくない声が聞こえてきた。
「ヤマトー!丈ー!!あっそびにきったぜー☆」
大きくて元気で男にしては高めの声。
「あれ?ミミの他にここ来る人いたの?」
絶体絶命のピンチに丈とヤマトは言葉が発せない。
「やーまと〜?丈〜?いないのか〜??」
太一は勝手に上がりこんだらしく、どんどん声が近くなっていく。
「丈さーん?行かなくていいの〜?」
「あ、ああ・・・」
丈がアイマイに返事をすると、ミミが何かを思いついたらしく表情を明るくする。
「じゃあミミが出てきてあげるー♪」
なんですと!?
「いいいいいいいいよミミちゃん!!」
「そうそう!多分向こうも大変な用事じゃないと思うし!!」
二人は必死に説得しようとするが、ミミは二人が遠慮していると勘違いし、さらに扉へと近付く。
「きーにしないで♪」
するする!!二人は心の中でつっこみじみたコトを考えながら混乱が頂点に達していた。

太一は知った家をずこずこと入って行く。
マントは邪魔なのでもう取り去ってある。
「やっぱ翼はのびのびさせてないとな♪」
太一は束縛を好まない。
翼を2、3度はためかせ、マントに閉じ込められていた不快感を解消させた。
と、奥の客間から知った声が聞こえた。
「こっちか・・・」
こっちに出入りできるようになって以来、来るたびに向かってくれたのに・・・。
「なんかあったのかな?」
太一は急ぎ足で扉へと向かう。

キィ、と古ぼけた鉄の音を立てて戸が開く。
丈とヤマトはその瞬間固まった。
扉から知った人物・・・ミミに一番会わせたくない相手が入ってきた。
「やっぱここに居た〜!なんですぐに出てきてくれなかったんだよ〜!?」
太一が二人の姿を見つけ、詰め寄る。
そこで、二人の後ろに居た人物に気がついた。
「あれ?」
「?あなた、誰?」
ヤマトと丈はもうホントに灰に化してしまったような気分だ。
「オレ、太一!」
「太一・・・さん?」
「おう!キミは?」
「私ミミ!太一さんは・・・天使さんなの?」
そこで太一はあ、と自分がマントを被ってないのに気がついた。
「・・・ばれちゃったらしょうがないよな〜。そ、オレは天使だよ」
へ〜とミミの瞳は輝いている。
「太一さんの翼、綺麗ね〜〜」
トテトテと近付いて、太一の翼をさわってみる。
「わ〜フワフワ〜v」
ミミは太一の翼が気に入ったらしく、顔をうずめている。
「ありがと。ミミちゃんの翼も綺麗だねー」
「そう?でもミミはあんまり好きじゃない。ミミ、太一さんみたいな白色がよかったなー」
む〜とミミが不満をもらす。
「そう?でもその色もミミちゃんに似合ってると思うぜ?」
ニッコリと太一がミミに笑いかける。
「ホント?」
「おう!」
太一が太陽のように笑うと、ミミも純粋な笑みを見せた。
「じゃ、ミミもこの翼好きーv」
えへへ〜と二人の周りに違う世界が出来ていた。
ヤマトと丈はポカンとその様子を見ている。
「み、ミミちゃん・・・?」
「ん?なぁに、ヤマトさん?」
「あのさ・・・太一見てもなんとも思わないの?」
「・・・なんともって??」
「だから・・・天使だー・・・とか・・・」
「うん!綺麗だねーv私始めて見たーvvv」
「そうじゃなくて!!」
ビシっとヤマトがツッコミを入れるふりをする。
「太一は天使なんだよ!?
敵だー!とか、誰かー!とか!なんかいうことあるだろ!?」
「やだヤマトさん、そんなコト考えてたの!?」
ミミがうわ〜と眉間にシワを寄せる。
「そうじゃなくて!!」
「ヤマト・・・オレのことそんな風に見てたんだ・・・!」
「だから違うっつってんだろ!?」
ミミと太一が息のあった芝居を見せる。
その仲のよさは、ホントに今あったばかりなのかというものだ。
丈はまだポカンとその様子を見ている。
「も〜冗談よ〜じょ・う・だ・ん☆」
「そうだよ。ヤマトってばマジメだな〜」
あははは〜と二人が笑う。
「ヤマトさん、私がそんな事するわけないじゃない。
それに〜私一回でいいから天使って見てみたかったのよね〜vvv」
ミミがぺたぺたと太一を触る。
「で、感想は?」
太一は冗談交じりに聞いてみる。
「ん〜別に私達とそんなにかわんない〜。でもこの翼は気に入ったわvvv」
えへへへへ〜と二人はまた笑いあう。
丈とヤマトは顔を見合わせてぐったり。
とりあえずミミに太一のことは絶対他言無用と約束させ、ミミも秘密の共有者になった。
嗚呼、なんとも疲れた哉。



☆NEXT☆


コメント

ミミは書きやすくて好きです(笑)
なんかミミ太みたいな感じになってきましたが・・・そのうちヤマ太、丈空、光ミミ、タケヒカになりますので・・・待っててください・・・(ペコリ)