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flying 13 否神殿。 そこは堕天使領地のシンボルにして、最高階級である天位階級の者が治めるところである。 天位階級の者は一人だけ。 なので、現在の天位階級のものより強い魔力等を持つものが出てくると、階級が交代し、天位階級のものは高位階級になる。 現在の天位階級者は、ミミという年端もいかぬ少女だ。 「・・・む〜〜〜。む〜〜〜〜っ!」 ミミは窓から身を乗り出して外を見ている。 「ミミ様、そんなに身を乗り出しては危険です・・・!」 お付きの者がミミの姿にオロオロしながら注意する。 「う〜る〜さ〜い〜!どうせ落ちちゃっても飛べばいーでしょ!?セアはうるさいー!!」 セアと呼ばれる初老の女は、それでもオロオロとミミを見守っている。 「んむ〜・・・つまぁんなぁい〜・・・」 ミミの翼はホントに黒に近い。 艶は緑色をし、深夜の森をおもわせる。 「ミミ様・・・!」 懲りずにセアが呼ぶ。 まぁこれが彼女の仕事なのでしょうがないと言えばしょうがないのだが・・・。 「もー!セアウルサイってば!!でてって!!」 「み、ミミ様しかし・・・っ!」 「命令よ!でてって!!」 セアの小言をふりきってミミが叫ぶ。 セアは降参して部屋から出ていった。 多分廊下の腰掛け椅子にでも座っているのだろう。 ミミはまた下界見物をする。 「なによ・・・天位階級になったら楽な生活送れるって言うからなったのに・・・」 これじゃそれを通り過ぎまくってなんにも出来ないじゃない・・・! ミミの頬がぷうっと風船みたいに膨らんでいく。 と、下の門から見なれた金髪の髪をした少年が出てきた。 「!」 それを見つけるとミミはにやっと笑った。 セアが部屋に居ない事を再度確認すると、窓から身を乗りだし、翼を広げた。 一直線と言っていいほど、急下降で下に降りる。 数秒後、少年の目の前に降り立った。 「こんにちはー☆ヤーマットさん♪」 いきなり目の前に降り立った少女に金髪の少年・・・ヤマトは目を丸くした。 一瞬後、ミミの手を引いてこれでもかというくらいの足の速さで近くの茂みに逃げ込んだ。 「みっみみみみみみミミちゃん!!!」 「いつも思うけどヤマトさんって足速いねーv」 さっきとはまったく正反対の笑顔でヤマトに笑いかける。 ヤマトはさらになにか言おうとしたが、何を言ってもこの少女には通じないと知っているので、はぁ、と大きな溜息をついて飲みこんだ。 「・・・ミミちゃん、今日は戻りな・・・」 「なぁ〜んで!?ヤマトさん遊んでよ〜!!」 ミミがキャンキャン叫びながらヤマトの腕を引く。 「き、今日は暇が無いんだ・・・」 「なぁ〜んで!?ヤマトさん最近ずっと遊んでくれない!!」 ミミの大きな瞳がウルリとゆがむ。 「もしかしてヤマトさん・・・ミミのこと嫌いになっちゃった・・・?」 「そうじゃなくて・・・」 いつものパターンとわかっていてもやはり涙には弱い。 「丈・・・隠れてないで助けてくれ・・・」 「う?丈先輩?」 ミミが後ろを向くと苦笑を浮かべている丈が姿を現した。 「あれ?バレてた?」 「風に匂いが混じってた」 「相変わらず鼻が効くね」 「ヤマトさんすっごい!ミミ、全然気付かなかったー☆」 えへーvとミミがいつも通りの笑顔を見せる。 「と・こ・ろ・でvじょーせーんぱい♪」 ミミは丈の事を『丈先輩』と呼ぶ。 なんでも、セアよりも丈の方が勉強の教え方が上手らしく、尊敬の意味を込めてこう呼んでいるらしい。 「な、なんだい?」 「ミミと、あそんでくーださい♪」 ミミに詰め寄られて丈は乾いた汗を流す。 めったに表情を崩さないが、丈はどうやらこの少女には弱いらしい。 「えっと・・・今日はちょっとやることが・・・」 「ダメ!!」 速攻ミミに却下される。 「二人ともミミの友達でしょ!?なんで遊んでくれないの!?」 再びミミの瞳に涙があふれる。 「二人とも・・・ミミのコト嫌いなんだ・・・」 ついに涙がポロリとこぼれる。 「なによ・・・ミミのコト遊んでくれるの二人だけだったのに・・・」 ポロポロと大きな涙が大きな瞳から次々と零れ落ちてくる。 「う〜〜〜っ!!」 ミミが本格的に泣き出してきたので二人はただただオロオロする。 「べ、別に嫌いになったとかそういうのじゃなくて・・・」 「じゃあなんで遊んでくれないのー!?」 ミミがぐいっとヤマトにつめよる。 「だ、だから最近忙しくって・・・」 「学校終わったら速攻外にでてるくせに?」 「・・・・・・だ、だから・・・」 ヤマトが言葉に詰まる。 否神殿の中にあるミミの部屋は最上階。 階下ならすべて見下ろせるその部屋から、ミミの目をすり抜けていく事など不可能に近い。 もっとも、それはヤマトと丈に限定されるとこだが。 「ミミが天位階級者だから!?だから遊んでくれないの!?だったらミミ、もう天位階級なんてやめる!!」 ミミが嘘が下手だ。 しかもこの状況。ミミをこのまま返したら絶対暴れる。 前に一回同じ目にあってひどい騒ぎになったことがあるので、ヤマトと丈の表情がサァっと青ざめた。 「み、ミミくん!そんな事言っちゃあ・・・」 「なによ!?権力者はミミよ!?遊んでくれないならやめるもん!! 天位階級なんてつまんないもん!!」 「なら・・・」 ミミがそう叫ぶと、第4者の声が背後から聞こえてきた。 「変わって頂けませんか?」 3人が後ろを向くと、フードを深くかぶった男が立っていた。 「・・・?あなた誰?」 「名のるほどのものじゃありませんよ。・・・それよりもさっきの話しは本当ですか?」 「・・・さっきの話し・・・?」 ミミがくりゅっと小首をかしげる。 「天位階級をやめたい、という・・・」 言われるとミミは、あー・・・とあいまいに呟いた。 「言ったけど・・・それがどうしたっていうのよ?」 「あなたのその座を欲している方がいるのですよ・・・あなたが退きたいというなれば、その方を押してはくれませんか?」 男は口をニヤリと歪ませた。 ミミはむー、と悩んでいる様子。 ヤマトと丈は一寸の隙も見せずいつでも攻撃出来る体制を取っている。 「もし、あなたが譲ってくださるというなら、もちろん報酬は出します。 金、土地、この後のことはなんでもこちらで請け負うと申しておりますし・・・悪い話ではないと思いますが?」 ミミはまだ悩んでいるが、ヤマトと丈の顔を見てから、また男に視線をうつした。 「ヤ」 「・・・は?」 たった、ホントに一言の言葉に男は耳を疑った。 「だから、イ、ヤ!」 ミミが言いなおすと、男は何故、と聞いてきた。 「前にヤマトさんと丈先輩が、言われたらこう返せって言ったから」 えらい?とミミは満面の笑みでヤマトと丈に聞く。 そこで始めて男の表情が崩れる。 「コムスメが!!」 男が漆黒のマントを広げて両手をミミたちに向けた。 「下手に出てやりゃ調子付きやがってっ! おとなしくその座を渡せって言ってんだよ!!」 最初に術を唱えておいたのだろう、すぐに手から火炎球が飛び出してきた。 「バカ!やめろ!!」 脅しようだろう、火炎球はヤマトたちの足元に落ちていった。 「ば〜か・・・今更やめれるかってんだ!!」 「バカ!!はやくやめないと!!」 煙が引いていく。 ソコには、キョトンとしたミミがいた。 「オジさん・・・ミミと遊んでくれるの?」 「オジ・・・っ!?・・・ああ!たっぷり遊んであげるよ!!」 『オジさん』と言う言葉がさらに怒りを逆撫でさせたのだろう、さっきよりも大きな火炎球が男の手に生まれた。 「じゃあ!ミミも遊ぶ!!」 ミミは純粋な笑みを見せる。 「意思を持ちし赤、汝よ。 その力を持ち、我の前に立ちはだかりしものに紅蓮の裁きを与えたまえ・・・。 六亡星の一角を司るもの、汝の名・『EFREET』 ―イフリート― よ! フレイム・ウォー・・・」 「あぶそりゅーと!!」 ミミが詠唱もなしに呪文を紡ぐ。 次の瞬間、男の周りに凄まじい冷気が生まれ、一瞬にして男を巻き込み砕け散る。 男は何も発さず散っていった。 「・・・これねーこれねー!ミミの大好きな魔術なのー☆」 えへへ〜☆とミミは相変わらず可愛い笑みを見せている。 ヤマトが男に『やめろ』と言った理由。 それはミミに攻撃する事に対してだが、危ない対象がミミではなく男だったのだ。 天位階級の座はダテではない。 普通、精霊を集める意味と、増幅と、契約の意味を込めて詠唱をする。 が、ミミはまったく詠唱をせずに魔術を使えるのだ。 それはミミの持つ魔力故。 しかも威力はソコらへんの名のある魔術師を軽くしのぐ。 「・・・あれ?オジさんは?」 「・・・・・・どっか行っちゃいましたよ・・・」 「えーっ!?ミミ、遊びたりなーい!!」 またミミのワガママが始まる。 「ねー!ヤマトさんに丈さーん!あーそーんーでーよーぅ!」 「だから・・・」 「じゃないと暴れちゃうんだからぁ!!」 またミミの目に涙がたまる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・それだけはさせては行けない!! 「わかったよ・・・」 しょうがなく、二人が折れる。 「ほんとー!?じゃあ、丈先輩の家にれっつ・ごー☆」 ミミは大変ご満足らしく、さっきの不機嫌はどこへやら。 スキップしながら向かっていく。 「?ヤマトさーん?じょーせんぱーい?はーやーくー」 中々来ない二人をミミは呼ぶ。 「はいはい・・・」 二人のお守りはまだまだ続く・・・。 とりあえず、ヤマトはさっきの男の血液を採取してから・・・。 コメント 本っっっ当に支離滅裂!!こ、ここまで自分の表現能力が足りないとは思っていませんでした・・・! つ、次に補足説明等々いれさせていただきます・・・(土下座) |