僕等なキモチ

思い出・・・想い出・・・。人にはいろんな思いと想いがあって、いろんな『大切』がある。
・・・でも、多分・・・いや、きっと・・・僕たち8人の『大切』はあの時の3日間の出来事だと思う・・・。

―2000年・7月30日―

「なにぃっ!?八神も武之内も今度の練習試合に出れないだとぉっ!?」
サッカー部顧問の先生がそう絶叫した。そのあまりの声の大きさに太一と空は思わず耳を塞ぎそうになった。
「は、はい・・・」
「どぉーしてもはずせない用があって・・・」
「でもなぁ・・・向こうも楽しみにしてるんだよ・・・。お前たちのコンビプレイを・・・」
口は困ってるふうに言っても、眼が『絶対出るんだ!!』と言っている。しかし、太一たちもここで負けるわけにはいかない。
「すみません、予選では絶対活躍しますからっ」
「先生っ!」
「でもなぁ・・・」
『お・ね・が・い・し・ま・す!』
太一と空が顧問の抗議を邪魔して揃えて大きな声でお願いをすると、迫力負けしたのか、ついついOKを出してしまった。
『ありがとうございます!』
ペコリとお辞儀をすると、太一と空は顧問の前を立ち去ったのであった。
「・・・はぁ・・・どうすっかなー。試合・・・」
顧問は大きな溜息をつくのであった・・・。

「なぁヤマトー。明後日あたり、渋谷でうろつかね―か?」
「悪い。明後日、用事あんだ」
「じゃあその次の・・・」
「明後日から3日間は用があるんだ。・・・すまんな」
ヤマトはそういうと、とっととマンションに帰って行った。残された友人はチェっと舌打ちをした。
「アイツと歩くとぜってー女から逆ナンしてくるからいいと思ったのになー」
「まぁいいじゃん。また誘えば」
「そうだなぁ〜」

「先生、すみませんが明後日から3日間塾来れなくなるんですが・・・」
「ん?なんだ、どっか行くのか?」
「は、はぁ・・・まぁ、そんなとこです・・・」
「まぁ夏休みだしなぁ。ちょっとした息抜きにもなるだろう。ただし、復習・予習は忘れるなよ!」
「はい!ありがとうございます!では、さようならーっ!」
「んー。ん?お、おい城戸ぉっ!鞄忘れてるぞっ!」

「―――と、なるんです。わかりましたか、京さん?」
「はい、とってもわかりましたぁvやぁ〜っぱ泉先輩すごいですねーv」
「そ、そうですか?ありがとうございます」
「あー、泉先輩、顔赤ーいv」
「そ、そんなことないですよ!」
光子郎はそういうと、パソコンの電源を落とした。京は相変わらずきゃらきゃら笑っている。
「じゃ、じゃあ僕もう帰りますね」
「あ、泉先輩。また教えてもらっていいですか?」
「はい、どうぞ。あ、でも明後日からは用があるので無理なんですが・・・」
「はい!わっかりましたぁ〜v」
びしっ!と敬礼みたいに京が頷いた。そんな京を見てクスリと笑うと、光子郎は京の家を後にした。

その頃、ミミは絶えず鳴り続ける電話の対応に追われていた。
「だから!んもう先輩もわかってくれないなぁ!その日は用があるんだって!はっ?・・・僕のことが嫌いなのかって・・・?
〜〜〜っ!さいっしょから言ってるじゃないですかぁっ!しつこい人はだぁー――いっきらいっ!!」
そう叫ぶと、がしゃんっ!とミミは乱暴に受話器を置いた。とたんにまたコール音が鳴り響く。
「・・・・・・」
ぷっちーんとミミの我慢の糸が切れた。がしゃっと受話器を取ると、ミミは思いっきり叫んだ。
「もぉう!!いいかげんにしてー――――っっ!!」
そういってからミミは気が付いた。電話の主は・・・
「・・・光子郎くん・・・・・・」
・・・後悔先に立たず。ミミは羞恥に顔を真っ赤にした。

公園でタケルとくつろいでいたヒカリはちょっと・・・いや、かなり怒っていた。
(せっかくあえたのに・・・)
学校が違うということで休みくらいにしか逢えないのにタケルはなんと逆ナンパされていた。
―・・・というかタケルのクラスの子たちに会ってしまったのだ。・・・ちなみにタケルは3年生。いやはや、最近の小学生は・・・。
もちろん、タケルは悪くはない。ヒカリだって頭の中ではわかってる。
だからこれは嫉妬だ。しかもタケルはヤマトみたいにさらりと流したりは出来ないので、困る。
「ねぇ〜タケルく〜んvわたしたちとあそびにいきましょうよ〜v」
そうそう!と他の女たちも寄ってくる。その言動にヒカリは俯いてぎゅっとキツクこぶしを握った。
「ごめん、ぼく、きみたちとつきあったりできないんだ」
タケルはやんわりと、でもしっかりと断った。と、女たちはえぇ〜!!と叫んだ。
「だって・・・」
タケルはするりと女たちの手をすり抜け、ヒカリの肩に腕を回した。
「ぼく、ヒカリちゃんとつきあってるんだもの」
「タケルく・・・」
「だから、ごめんね」
にっこりとタケルが笑う。女たちは渋々・・・といった感じでその場を立ち去って行った。
全員いなくなると、タケルはふぅ、と大きく溜息をついた。それから、自分がまだヒカリの肩に腕を回していることに気付いた。
「わっ!!ご、ごめんねっ!ヒカリちゃん!!」
タケルは真っ赤になって回していた腕を外そうとした。するとヒカリがぎゅっとその手を引きとめた。
「・・・ヒカリちゃん・・・?」
「もうちょっと・・・」
「え?」
「もうちょっとだけ、こうしてて・・・」

―2000年・7月31日―

この日の夜、太一から選ばれし子供たち6人にメールが送られた。

『―――――――:ヤマト、空、丈、光子郎、ミミちゃん、タケルへ
 ―――――――:太一より

みんな!元気か!?いよいよ明日だな!明日の朝8時にお台場公園に集合!遅刻せずに来いよ!』

『―――――――:太一へ 
――――――――:ヤマトより

わかってるって。お前こそ遅刻すんなよ!』

『―――――――:太一へ
――――――――:空より

いよいよ明日ね!楽しみ!じゃあおやすみねv』

『―――――――:太一へ
――――――――:丈より

明日か〜。なんか来るのが早かったような・・・。まぁ、明日な!』

『―――――――:太一さんへ
――――――――:光子郎より

はい、わかりました。楽しみですね!では、おやすみなさい』

『―――――――:太一さんへ
――――――――:ミミより

は〜いvわっかりましたぁvじゃあまた明日ね☆おっやすみなさ〜いっv』

『―――――――:太一さんへ
――――――――:タケルより
 
こんばんは!わかりました。じゃあまた明日!あの、ヒカリちゃんにもよろしく・・・』

・・・・・・そして、それぞれの想いを秘め、夜は更けていく・・・・・・―。



☆NEXT☆


コメント

デジ小説第5作目です。これは去年の8月1日から3日の間だけ受け付けていた限定小説です
つかこれはもうスランプで・・・(汗)全然うまく書けませんでしたわ(もともとヘボなんですが☆)
ちょっと長いのでわけさせていただきます☆