伝えられる言葉、伝えきれない想い

『逢いたい』って思っても・・・。
あなたの未来を潰したくないから・・・。

飛行機の中で、レイは密かに胸を弾ませていた。
BBAの会長から送られてきたチケットは、ずっとレイの手の中だ。
久々に踏む日本の地。
彼が――――――カイが居る日本。
逢いたくても、ずっとずっと我慢してきた。
自分にもカイにも、目指している夢があるから。
世界大会が終わり、別れる前日に決めた二人の約束だ。
レイは山岳に修行がてら良く行くので、手紙もメールも、レイが出す以外はほとんど通じない。
カイもカイで会社を継ぐ準備に忙しいらしく、ベイを一時封印しているらしい。
だからこそ、また繋がる機会のあるこの旅が嬉しい。
「カイ・・・」
呟き、レイはシートに深く腰掛けた。

空港で迎えてくれたのは、BBAチームに知らない女の子。
タカオとキョウジュのクラスメートだとマックスに教えてもらった。
カイは・・・と少し視線を彷徨わせる。
そして、その姿を認めた途端、胸が高鳴った。
服装はさすがに変わって入るが、頬に入った青いペイントと、灰銀色と紺色の分かれている髪はたしかにカイの髪の色だ。
「か・・・」
嬉しくて声をかけようとすると、ふいっと顔を逸らされしまい、レイは首をかしげる。
「・・・・・・?」
こちらに気付いていないはずがない。
自分を迎えに来てくれているのだから。
一抹の不安を覚えつつも、レイは皆一緒にタカオの家へと向かった。
だが、車の中でもカイ無言のままだ。
何度かレイも話し掛けようとしたのだが、そのたびにマックスやタカオに邪魔されてします。
邪魔・・・と言うと語弊があるが。
タカオたちだって久々にレイに逢えたので舞い上がっているのだろう。
それでも、レイはやっぱりカイとしゃべりたかった。
「カイ・・・」
呟いてみても、返事をかえしてくれない。
隣りに座っているんだから聞こえているはずなのに。
「・・・カイ・・・」
「みなさん、着きましたよ」
運転手さんがドアを開けてくれる。
またタイミングを逸してしまい、レイはちょっとむくれる。
こっち〜とタカオが荷物を運んでくれる。
レイも着いていこうとすると、何かの力で後ろに引っ張られた。
「うあっ」
反射的に力に逆らわず後ろを向くと、カイの姿があった。
「カ」
名前を呼ぶ間も無く、カイに手を繋がれて、どこかに連れて行かれる。
着いたのは、タカオの家の道場の裏側だった。
「・・・カイ・・・?」
ようやく手を離されても、カイは背中をむいたままだ。
「カイ・・・?」
そんなカイの姿に不安になってしまう。
世界大会前でも、自分にはとても優しくしてくれたのに。
やっぱり、カイの傍に居ればよかった。
なんて不純な事を考えていると、カイが盛大に溜め息をついた。
それにさえレイはヒクリと身を震わせてしまう。
「悪い・・・」
いきなりカイに謝られて、レイはビックリしてしまう。
そっとカイの前に顔を覗かせるとその顔は真っ赤だった。
予想外の事に、レイは更に驚く。
「・・・久々にお前の顔見たら緊張しちまって・・・なかなか応えられなかった・・・悪かった・・・」
レイは更に顔をキョトンとさせる。
「じゃ・・・無視してたとかじゃないのか・・・?」
「は?何で俺がお前にそんな事しなくちゃいけないんだ」
「・・・っ」
その言葉に、レイは耐え切れずに買いに抱きついた。
カイは最初慌てたが、だんだん身体の力を解いてくれ、レイを抱き返してくれた。
「・・・ただいま」
くぐもった声でレイが言うと、今度こそカイは言葉をちゃんと返してくれる。
「おかえり」
僕の腕の中に。



☆END☆


コメント

星野渚さまからリクエストいただいました『カイレイな2002系小説』ですv
こ、これでも2002と言えるのでしょうか(汗)
リクエストいただいたのに、遅くなってしまってすみません(泣)
喜んでいただけたら嬉しいですv
申告、リクエスト、本当にありがとうございました!