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flying 〜The sky story〜 31 シルフがノームと(一方的に)じゃれあっているのを微笑ましく見つめながら、太一たちはシエルの国を目指した。 「これからどうする?」 疑問を口にしたのは丈だ。 聞かれた太一は少し腕を組んで考えてから、後方の丈を振り返った。 「ヤマトたちも心配だけど、属性王も集めたいからなぁ・・・」 ゼクンドゥスに二手に別けられてから、そろそろ1ヶ月が経つ。 ノームに手伝ってもらって気配を探れるとは言え、心配だ。 「じゃあ一回合流すればいいのに」 ノームにおぶさりながら、何でも無いようにシルフが言う。 「でもノームが言うには大陸も違うらしいし、海か何かで擦れ違っちまったら、ノームに教えてもらってもどうにもならないし・・・」 するとシルフは、ふふんっと胸を張る。 「だいじょーぶだいじょーぶ☆ だって私ってば風の属性王だもんv」 するとシルフの周りに風何かが集まってきた。 どんどん集まってきて、辺りは濃密な『気』が満ちる。 風精霊たちだ。 「えっ・・・はぁっ!?」 いきなりの事に4人はオロオロしてしまう」 ノームは驚く事無く、溜め息をつきつつ一番オロオロしている丈の方へと向かう。 「にぃちゃん」 と、丈の服の袖をノームがクイクイと引っ張る。 「な、なんだい?」 更に風精霊が集まる中、困惑しつつも丈は空を風から守りながらノームを振り返る。 「ねぇちゃんの事、しっかり抱いておいて」 「は?」 「早く!!」 怒鳴られて、丈は戸惑いながらも空を抱きしめた。 「じ、丈先輩!?」 突然抱きしめられた空は、かーっと顔を真っ赤にさせる。 もちろん、丈だって負けずに赤いが。 「そうじゃなくて、抱えあげるんだっ」 ノームが更に指示を出す。 丈は、もうヤケ!!とばかりに空を横抱きにした。 「いっくよー!!」 シルフの軽い声が聞こえたと思ったら、視界は碧色の風で埋まった。 火山の街を出たヤマトたちは、ようやく見つけた湖で休憩をとっていた。 ミミとヒカリが水浴びをしたというので、ヤマトと光子郎は林に入って、今日野宿するために必要な薪や食べ物を集めていた。 「―――――――・・・?」 フワリ、と。 精霊・・・風の精霊がヤマトに寄って来る。 「や、ヤマトさん・・・それ・・・」 やがて、光子郎にもわかるくらいに濃密な精霊の気配が漂ってきた。 「な、何なんだ!?」 いくら精霊に好かれていると言っても、ここまで突然精霊に集まられた事は無い。 と、 ビュゥ――――――――ッ!! 「――――――っ!!」 「わっ」 耳に痛いくらいの音と共に強風が吹いた。 樹がざわめき、身体のそこここに葉やら何やらがピチピチ当たる。 訳がわからないまま、ヤマトと光子郎は強風に耐える。 ・・・そしてしばらくすると、ソレは治まった。 何だったんだ。 そう言おうと口を開きかけた時、頭上で『うわっ』と声がした。 思わず仰ぎ、ヤマトはぎょっとする。 「太一っ!!」 叫びつつ、落下した太一を間一髪受け止めた。 ヤマトにとって何が起こったのかわからないように、太一にとってもまた、何が起こったのかわからなかった。 シルフが起こしたと思われる碧色の風に包まれたと思ったら、次の瞬間には宙に浮かんでいたのだ。 しかしそれを理解した途端に、身体は重力に従って下に落ちる。 「うわっ」 この体勢では、もう翼も開けない。 太一は衝撃と痛みを覚悟し、眼をぎゅっと閉じた。 「太一っ!!」 ドタンッ! 音を立てて、身体が地面に着いた。 「痛――――――・・・くない・・・?」 何で?と思う間も無く、声が聞こえた。 「俺は痛い」 ハッと下を見てみると、地面と自分の身体の間にヤマトが居たのだ。 「ヤマト・・・!」 驚きよりも先に、嬉しさが込み上げてきた。 焦がれていた―――――ずっと焦がれていた、その、姿。 ヤマトも、少し呆れた顔をしているが、それよりもずっと優しく笑んでいる。 「太一」 その声が心地よくて、懐かしくて。 強がって来た自分の心に、ようやく弱さが戻って来て、太一は顔を歪めた。 「やまと・・・」 太一の泣き顔を隠すように、ヤマトは頭ごと抱きしめてやる。 「あいたかった・・・っ」 「うん。俺もだ」 しばらくそうやって抱き合っていたが、太一はようやく顔を上げた。 まだ目の端に残る雫を拭ってやり、笑いあう。 そして、顔を近付けて、目を閉じ――――――――――― 「・・・あのー・・・」 そこで気まずげな声がかかった。 ハッと太一とヤマトが周りを見てみれば、太一と共に飛ばされた3人に、光子郎、更には事態に驚いて来たミミとヒカリもそこに居た。 「うわー――っ!!」 照れと混乱の末、太一は首まで真っ赤に染めてヤマトを吹っ飛ばした。 もちろんヤマトさんは不機嫌きわまりなく。 太一はその横でシュンと項垂れつつ回復法術をかけています。 久々に逢えたタケルとヒカリはベッタリだ。 ちなみに、ノームに言われた通り空を抱えていたので、空は全然衝撃を受けなかった。 丈は思いっきり背中から落ちたが。 「だから、突然移動するなってば!」 ノームに叱られて、シルフは眉を寄せている。 「・・・シルフはただ皆を喜ばせたくって・・・」 「『驚かせたくって』だろ!!」 「・・・・・・てへv」 ノームとシルフがその横でケンカ(一方的な)を繰り広げている。 「・・・あれは・・・?」 法術をかけ終えた太一に、ヤマトが話し掛ける。 「風の属性王のシルフ。今日、丈と契約したんだ」 「そっか。実はこっちも・・・」 「あっ。ウンディーネのお姉ちゃんとイフリートのお姉ちゃんも一緒なんだ!」 と、シルフが光子郎とミミの方を向いて話し掛ける。 「へーっ!わかるんだー!!」 ミミがすっごーい!とシルフをキラキラ輝く眼で見つめる。 シルフがえっへん☆と胸を張っていると、ウンディーネとイフリートが姿を現した。 「よう」 「久しぶり、ノームにシルフ」 ノームが簡単に挨拶をすると、イフリートはニッコリと微笑んだ。 「でも何でシルフはすぐにわかったの?それってイフリート達にも出来るの?」 ミミが小首を傾げると、ウンディーネが替わりに応える。 「風はありふれていて、実は私たちにとっても掛け替えの無いものなのです。 風は土を運び、火を燃え上がらせ、雨を降らせます。 だから一目で見て、私たちを見つける事が出来るんです。 私たちにも出来ない事はありませんが、より多く他の精霊と接している、シルフやノームの方がそう言う能力は強いです」 「へー・・・シルフちゃんはすごいんだー」 「そう!シルフちゃんは凄いのだ☆」 それを見て、ノームが溜め息。 「・・・あんま褒めない方がいいよ。図に乗るから」 シルフはひっどーい!とぷぅっと膨らませ、密かに仲間を盗み見る。 まず、ヤマト、タケル、太一。そして、ヒカリ。 それから、属性王を。 ウンディーネたちは睨むような視線を交えて、また元の調子に戻る。 「・・・なぁ、とりあえず再会は出来たけどさ・・・これからどうする?」 残る精霊は、レム、シャドウ、マクスウェルに・・・ゼクンドゥス・・・。 「四大元素精霊のウンディーネ達とは違って、確かに場所は特殊で特定しやすいかもしれないけど・・・」 「逆に絞りにくいわね・・・」 レムとシャドウは常に移動している可能性もある。 光には昼、闇には夜と言うものが存在しているからだ。 マクスウェルは特に特定できない。 何せ元素を司っているのだ。 どこにでも存在が出来る。 「私たち4人が揃っているのなら、マクスウェルの現在居るところを見つける事は可能です」 イフリートの言葉に、8人が振り返る。 「ほっ本当に!?」 「ええ。私たち四大精霊は『元素』つまりマクスウェルの直轄なのです。 なので、私たちさえ揃っていれば可能なのですが・・・」 イフリートはそこで言葉を区切り、ウンディーネを見る。 「何々?何なの?」 ミミがウキウキと聞いてくる。 「マクスウェルは・・・かなり気紛れな性格で、私たちみたいに姿を保っておく事をしないのです。 元素を司っているので、他の精霊の姿に変わる事も出来ますし、もちろん人や動物、植物に変わる事も出来ます」 「だけど、近くに行けばアレクタリスが反応するだろ?」 その言葉に、ノームが首を振る。 「シルフが早すぎてアレクタリスが反応出来なかったように、マクスウェルやゼクンドゥス、レムにシャドウは自分の気配を消してアレクタリスに気付かれないようにすることも出来るのです。 ・・・元々、アレクタリスの力のほとんどを私たちが管理していますので、出来ない事ではないのです」 ウンディーネは元々アレクタリスに戻るつもりだったので、気配は消さなかった。 ノームは、地精霊の事で頭に血が上っていたので、気配を消せなかった。 イフリートの時は太一が近くに居なかったし、シルフは確かに気配はあったが、アレクタリスの反応が追いつかなかった。 思い出して、なるほどと頷く。 「・・・じゃあ、やってもらえるか・・・?」 「待って!!」 そこでミミが待ったをかけた。 「ど、どうしたんですか?」 ミミの真剣な顔に、光子郎が驚いてミミを覗き込む。 「・・・ミミ、お腹空いちゃった〜・・・明日じゃダメ?」 溜め息をつきかけた7人だが、自分たちのお腹もくぅ〜っと音を立てたので、それは照れたような乾いた笑いにしかならなかった。 コメント ようやく合流☆ ・・・っていうか、ヤマ太の筈なのにエロどころかキスシーンも無いなんて・・・!(愕然) ・・・うふふ・・・ヤマト・・・後半戦期待してろよ☆(どうした) |