※あやしい表現ありなのでご注意を。


「懲りないねぇ骸くん」
部屋に入ってきて最初の一言が、それだった。
クスクス笑いながら近付いてくる白蘭に文句を言いたいが、口枷をはめられた上、手足は縄で拘束されている。
せめてもときつく睨みあげるが、白蘭には蚊に刺されるよりも痛くも痒くもないだろう。
現に表情は一片たりとも崩れはしない。
「今回で脱走何回目だっけ?さすがヴィンデチェの牢獄を抜け出そうとしただけあるねぇ」
全部失敗してるけど♪とまた笑い飛ばす。
「いい加減、大人しくしなよ」
ふざけるな。心の中で毒づく。
あと少し。あと少しだったのだ、今回は。
部屋から抜け出し、もう少しで結界の範囲外に辿り着くところで、後ろから麻酔銃を撃たれた。
次に気付いた時は、忌まわしい部屋に逆戻りしており、このザマだ。
白蘭は特に機嫌を悪くもせず、美しい濃紺の髪をさらりと梳く。
パフィオペディラムの結界外に抜け出したところで、骸は白蘭から逃れられない。
密かに髪飾りに仕込んだ結界装置に気付かない限り。
パチンと音を立て、口枷を外してやる。
「…ふは…ッ」
口枷が邪魔で飲み込めなかった唾液が、外された途端にベッドにシミを作る。
口端に残る唾液を掬うと、白蘭はぺろりと舐めてしまう。
ガチンと歯を立てて噛んでやりたい。
嫌悪の表情を向ける。
「うーん。その顔は全然懲りてないねー」
「…当たり前だ…ッ。…僕は絶対にここを出てやる…!」
精一杯低い声で唸るように言っても、やはり白蘭は笑顔を崩さない。
「そんな勝気なところも大好きなんだけど。…でもこれはあれだね。お仕置きが必要かな」
言って、骸のむき出しの脚を掌で握る。
「骨の一本でも折っちゃえば、随分行動も制限されるよねぇ」
ぐ、と力を篭める。
骸は顔色も変えず、ただ白蘭を睨んでいる。
その様子を、白蘭も見つめていた。
「なんて、冗談だけど」
すぐに力を緩める。
白い脚は白蘭の手の形に少し赤くなっている。
本気を出してはいないので、すぐに治まるだろう。
「こんなことしたって、骸くんは慣れっこだろうし」
「よくわかってるじゃありませんか」
鼻で嘲る。
痛みで屈するようなら、十年前にとっくに自分はどうにかなっている。
「だけど、オイタをしたんだからやっぱりお仕置きはしないとだしね」
言って白蘭が取り出したのは、カプセル。
「なーんだ♪」
「……」
骸は答えない。
どう考えても、それが自分の為になるものとは思えない。
表情をまた厳しくする骸に、白蘭は笑顔を深める。
「ま、いわゆる媚薬ってやつなんだけどさ」
摘んでいるカプセルをくるくると指で回す。
「痛みは耐えようがあるけど、快楽は防ぎようがないからね。…しかもタチが悪いことに」
いやらしい手つきで骸の内腿を撫でる。
「一度キモチイイってことを身体が覚えると、癖になっちゃう」
「……ッ」
必死に身体をよじって逃げようとするが、自由にならない身体では寝返りさえも難しい。
「骸くんも、どうしようもできないよね?」
答えない。
答えられない。
だがそれは肯定も同じだ。
ニコリ。無邪気に笑い、白蘭はカプセルを自ら飲み干した。
「…?」
意地でも飲むもんかと身体を強張らせていた骸は、ゴクンと鳴る白蘭の喉を見て訝しげに眉を寄せる。
「ふふ、キミに飲ませると思った?」
ベッドから腰をあげ、備え付けの小さな冷蔵庫へと歩いていく。
「ま、媚薬飲まされてずーっと喘ぐのもつらいんだろうけどさー」
ペットボトルを数本手に取ると、ベッドテーブルに置く。一本を開けて、一口。
呆然と白蘭を見ていると、再びベッドにのし上がり手足の縄を解いて、仰向けに薄い肩を押し付けてきた。
「…素面で飲んだ方に付き合わされるのも、結構つらいと思わない?」
さっと骸の顔が青ざめる。
白蘭の笑顔がより深くなる。
だがその瞳は猛禽類のようにギラリと光った。


「んっ、ァ、は…!!」
ビクンと身体が弾む。
胎の中に更に白濁を注がれるのがわかり、シーツをぎゅうと握り締める。
「…んん、もう出ないね」
「やめ…ッ」
力を失った骸の性器を白蘭の手がひょいと掴む。
陰嚢はもう空っぽで、五回を過ぎたところで先走りさえ垂れなくなった。
しかし身体のナカの白蘭のモノは未だに力を失っておらず、少し動いただけで粘膜を擦ってくる。
ベッド、特に下半身辺りがデロデロに汚れており、きっとマットまで染みている。
骸の腰はもう踏ん張ることが出来ずうつ伏せで枕を下腹部に敷かれているが、揺すられるごとに擦れてたまらない。
白蘭は濡れた手を性器から離すと、ペットボトルに手を伸ばした。
パキと音を立てて蓋を開け、少しぬるくなった水を飲む。
半分ほど飲んだところで、まだ息を整えている骸の口元に持っていく。
「ほら」
「……」
躊躇った後、渇きをごまかせずに口をつける。
喘ぎっぱなしで喉が痛い。
骸が満足するまで飲ませ、残りを飲み干して床に放る。
「さて、続きをしよっか」
「もう…やめ、ろ…!」
「って言われてやめる訳ないじゃんー。お仕置きなんだし」
「あっ!」
無情に腰を引く。
白蘭の性器を白く濡らす精液が、カリに引っかかって掻き出される。
押し込めば、筋肉は収縮して白蘭を刺激した。
「ア、んぁあ、は、…ひっい、」
声を抑えることも出来ない。
腰を支えられ、押し付けられる快感を受けるしかない。
枕に擦れて性器は再び立ち上がるが、長いオーガズムを感じる空イきだけでつらいだけだ。
「ふ、ははっ」
ちゅうぅ、と背中を強く吸うと、また一つ赤い華が咲く。
骸を独占しているようで、ゾクゾクと背筋を駆け上がる支配欲が白蘭を満たす。
そしてそれは、性欲に直結する。
「んんっ…!」
「っア――――!!」
短い時間の内でまた白蘭が達する。
腹が膨らむほど流し込まれた白濁は、もう入らないとばかりに逆流して結合部から卑猥な音を立てて流れ出す。
「くるし…い…」
思わず弱音が漏れる。
「また一杯になっちゃったね」
濡らす白濁を指で拭うと、腫れぼったい内壁が表れた。
いくら濡らし慣らされ快感を捕らえても、幾度も擦られれば痛みに変わる。
けれどその痛みも快感に変わってしまいそうで、骸は怖くてたまらない。
「よいっしょっと」
「ひっ、ああ!!」
何も言わず、白蘭は骸を自分の膝の上に抱えて背面座位にする。
突然オクまで抉られ、骸は弓形に身体を逸らした。
衝撃が去らぬうちに、ヌポンとマヌケな音を立てて白蘭が出て行く。
「は…ッ」
力が入らず、白蘭に寄りかかる。
ぐったりと眼を閉じる骸の頬にキスをすると、無情に両手二本ずつの指をダラダラと白濁を漏らしている後腔へ挿入した。
「ッは、!…ぁ、ぁ…い、アっ!」
ぐずぐずに蕩けたソコを広げられ、掻き出される。
胎のものが逆流し、排泄を強いられる気持ち悪さに涙が浮かぶ。
「骸くん、かーわいー」
笑って、涙を舐め取る。
「ぁ、や、やめ…やめろ、ぉ…!」
必死に手で押し退けようとしてもびくともしない。
結局胎の圧迫が治まるまで掻き出された。
「またいっぱい出たね」
同じことを、もう三度された。
それでも身体は慣れない。
自ら吐き出したもので白く濡れた指を、白蘭は荒く息をつくことで閉じることが出来ない骸の口へ入れた。
「ん?!」
「はい、骸くんの仕事だよー♪綺麗にしてね」
「んっ!ンん―――!!」
舌で必死に押し出そうとするが、にゅるにゅると滑り結局舐め取っていることに骸は気付かない。
暖かいソレが指を舐める感触に白蘭は酔いしれる。
「はい、ありがと」
銀糸を引いて口から離れる。
は、は、と息を吐きながら、酷く滑稽な自分を思い思わず涙が頬を伝う。
「う…っ」
「泣いてる暇ないよ」
「あぁあああっっっ!!」
再び白蘭が性器を挿入した。いや、突き刺した。
膝裏を持たれ不安定な体勢にされると、自重で更にオクまで犯される。
「は…ッ、…まだ元気みたいだね…」
きゅうぅ…と締め付けるソコにニヤリと笑う。
「無理…もう、ダメ…!」
「言ったでしょ。聞かないって」
「ンあっ、あっ、ひぁ、んぁあ!」
ぐしゅぐしゅと卑猥な音が途切れない。
熱で乾いた唇を舐めると、骸を寝かせて反転させる。
「ひ、ぃ…〜〜〜〜っっ!」
白蘭の性器の形になっていた内壁が変わり、衝撃に対応できない。
仰向けにし、荒く息をつくその唇に貪りつく。
「んっ、ふ…あま…っ」
ちゅ、ちゅく、と口内も好き勝手に荒らす。
噛み付く力さえ残っていない。
余っている手で性器を擦られる。
それよりも、鼻が詰まっている今口を塞がれて死んでしまいそうだ。
なのに白蘭は、犯すことを休めない。
骸の胸の下、肺が大きく膨らむ。
窒息してしまう寸前、ようやく白蘭は口を離した。
「ぐ…っげほ、ぁ、あ、ッッ、アーッ!」
「く、ぅ…ッ」
咽る中、また熱を吐き出された。
下半身が痙攣する。
襲い来るオーガズムに震えが止まらない。
チカチカと眼の奥で光がスパークする。
「あっ、ダメ…こするな…!」
「やだよー」
空イきの最中だというのに、先にイき終えた白蘭は性器を擦る手をやめない。
そのまま、唇で乳首に吸い付く。
「ん、くぅ…」
右を指で捏ねくり、左を舌でねぶる。
ちゅうちゅうと赤子のように吸われると、男だというのに気持ちよさに腰が震えた。
「ん、ふぁ…ぁ、あん…ぁっ!?…い、た……ッはなっせぇ!!」
優しく弄ると思えば突然千切られるような強さで歯を立ててくる。
「うそつき」
快感なんてなく、痛いだけだというのに性器は萎えはしない。
「もう脱走しないでしょ?…なんて、聞かないよ」
「う、あ、ァア…ひ、ン…っ」
「Si、なんて口だけだってわかってるからさ」
緩く動かしていた腰を、また掴んで激しく揺さぶる。
「いっそのこと、快楽で縛っちゃおうか」
あははと笑い飛ばす。
暴言さえ、口から出ない。
「キミも僕もキモチイイ。…最高じゃない?」
顔を見たくなくて、眼を閉じて顔を逸らす。
構わず白蘭は顎にキスをして、強く腰を押し付けた。
「ん…っ」
低く唸り、またイく。
はー…とキモチヨサそうに息を吐いた後、恍惚とした表情で熱をはらんだ声を骸の耳に吹き込む。
「これだけは覚えといてね。次に脱走したら、これを二晩続ける。それでもダメなら同じことをした後、グダグダになったキミにもっと強い媚薬を飲ませて縛り上げて放置する」
「…ッ…ッ!!」
「さすがに、壊れちゃうかも?」
恐怖に、身体が強張る。
「でもそうされるってわかってて逃げ出そうとしたら、骸くんってMってことだよねー」
あははとまた白蘭は笑い飛ばす。
ひとしきり笑ってまた水分を補給すると、再び骸の身体に手を這わせた。
「でも僕は、どんなキミでも愛せる自信あるけど」
頬を触り、首を伝い指先で赤い華が咲く鎖骨を撫ぜて、腫れている左側の乳輪にぐるりと触れる。
ポツンと堅くなっている乳首を爪で引っかいてヘソを辿り、再び膨れだしている腹を確かめて性器に辿り着く。
内腿を触って陰嚢を引っ張り、結合部を探った。
「んん…ッ」
まどろっこしい刺激に、思わず喉が鳴る。
そんな骸を見て、白蘭は支配者の笑顔で見下ろした。
「さ、もう一ラウンド、がんばろうか」