普通という名の日常

わかってね。僕が想っているのは、キミだって事を。

「カイが好きな人は誰?」
本を読んでいたら、自分の膝の上で日向ぼっこをしているレイが、唐突に聞いてきた。
「・・・は?」
「だから、カイの好きな人って、誰?」
レイの目は、純粋にカイに答えを求めてきている。
そんなレイを見つめ、カイは内心悶々と考える。
(・・・こいつは何を言っているんだ?
『誰を』って言ってるんだから、食べ物とかじゃないだろうし・・・。
好きな人はって言われたって、あんなに態度で示しているのにわからないはず無いし・・・。
・・・告白・・・も、したしなぁ・・・。
別にどこぞの女と会ってた訳でもないし・・・これは普通に答えて良いのか・・・?
でも、なぁ・・・的外れなことだったら笑われるのは目に見えてるし・・・) などと考えていると、レイの眉間に皺が寄ってきた。
「なぁ・・・カイはオレの事、好きなの?そうじゃないの?」
そこまで言われて、カイはようやくレイの言ってほしい『すき』の意味に気付く。
「あ、ああ・・・」
肯定したのに、レイの機嫌はよくならない。
「な、何だ・・・?」
レイは起き上がり、ベットに腰掛けているカイと同じ目線になり、詰め寄る。
「・・・オレが聞きたいのは、好きか、そうじゃないかのどっちかなのっ。
『ああ』なんて答え、聞きたいんじゃないのっ!」
レイはズイズイカイに迫っていく。
カイは後ろに下がれないので、レイとの差はどんどん縮まっていく。
「好きなの!?嫌いなの!?どっちっ!?」
整ったレイの顔がすぐ目の前にあり、カイはかぁっと顔を赤くする。
レイはジィッと自分を見ている。
カイはレイから目をそらしてキョロキョロとあたりを見る。
そうして、レイから視線をそらして、小さな声で・・・
「・・・・・・好きだ・・・」
と呟く。
カイはレイから目をそらしていたために、レイの次の行動に反応が遅れてしまった。
レイは、至近距離からカイに抱き着いてきたのだ。
不意打ちを食らったカイは、ゴンっと大きな音を立てて、後ろの壁に頭をぶつけてしまった。
くらっと遠のきそうになる意識をとどめ、レイを怒ろうとして、その顔を見たとたんに怒れなくなってしまった。
レイが、あまりにきれいに笑って、自分の肩口に顔を埋めているからだ。
「レ・・・」
先程からのレイの行動が読めなくて、レイを呼ぼうとすると、レイがぱっと顔を上げた。
「カイ、カイ。オレすっごく嬉しい!」
「・・・は・・・?」
レイはまたぎゅっとカイに抱きつく。
「カイはあまり言葉をくれないけど、そう、ちゃんと『好き』って言ってもらえると、とっても嬉しい!
オレも、カイの事、大好きだからなv」
そういうとレイは、唖然としているカイの口にチュっと唇を重ね、またカイの膝に頭を乗せて、幸せそうに寝始めた。
「・・・なんだったんだ、いったい・・・」
まだレイのやわらかな感触の残る唇に手をやり、カイはポソリと呟く。

・・・そんな、昼下がりの日常・・・。



☆END☆


コメント

超短文〜(大笑)
そういえばカイレイで、あまり日常めいたものは書いた事ないなぁと思いまして・・・。
そしたら激短・・・っ!!