Mile Stone 3

輝二の専属メイドになってから、1週間ほど経過した。
仕事は、輝二の部屋を掃除し、洗濯をし、食事を運ぶ事。
他の部屋に比べて広いにしても、屋敷全体を掃除する事に比べれば全然楽だった。
その上食事も一緒に取らせてもらっているのだ。
最初は慣れず、戸惑ってばかりだったが(トチるのは進行形)今はそれでもこの状況に慣れてきた。
それに何と言っても、輝二とずっと一緒と言う事が拓也には嬉しい。
輝二の仕事は大体が机にへばりついていて、書類の整理などをしている。
時々会議などにも出るが、ほとんどを部屋で過ごすのだ。
(だから、あんなに会う確立が低かったのか・・・)
拓也は変なところで納得した。
そして一番拓也が戸惑ったのは、寝るのはいつも一緒という事だ。
輝二曰く、『拓也はあったかいから』らしいが、拓也からしてみたら心臓に悪い。
輝二を置いて寝る訳にはいかないので、ベットに腰掛けて待っているのだが、まだ子供な拓也は仕事で動いているせいもあって大体先にダウンして寝てしまう。
暖かさを感じてふと眼が覚めると、輝二が自分を抱きしめて眠っているのだ。
眼が覚めてすぐ輝二の綺麗な顔があるのは、これまたものすっごく心臓に悪いのだ。
そして、掃除をしていてもう一つ発見をした。
輝二の部屋の奥に、もう一つドアを発見したのだ。
そこも掃除するのかとノブに手をかけようとした時、輝二に止められた。
どうやら、ここからは輝二の部屋ではないらしい。
廊下に出ると、確かにそちらの部屋への扉であろうものがあった。
だが、それなら何故あそこに扉があるのだろう?
拓也は『?』を浮かべながらも、そちらへは行きはしなかった。

今日、輝二は珍しく外出している。
何かトラブルが起こったらしいのだが、身内で動けるのが自分だけと言う事で、出かけていったのだ。
輝二さまが居ないのはツマンナイなぁ・・・と思いつつ、帰って来た時に気持ちよく入ってきてもらうために、拓也は掃除に身を入れた。
・・・ちなみに拓也は掃除をする時に輝二と何個か約束をしている。
例えば、『もしも物を壊したとしても、絶対に拓也一人で片付けるな』等である。
曰く、『拓也は絶対に怪我をする』らしい。
何にも言えない拓也は、素直に頷いた。
なので拓也は主に掃き掃除を重視していた。
窓などの拭き掃除は、大概は輝二が居る時でないとやらせてもらえない。
「・・・輝二さまってオレの事子供扱いしてるよな・・・子供だけど・・・」
うー・・・といろいろ独り言を呟きながら、拓也は掃除をこなしていく。
これも慣れてきたのか、だんだんとミスも少なくなってきた。
「・・・・・・よし・・・終わりッと!」
言われた通りのマニュアルは大体終わった。
後は、輝二が傍に居ないと出来ない仕事だ。
「・・・・・・」
主従って感じじゃない・・・と思いつつ、それも自分のドジさ加減が尋常でないので、拓也は謝罪をしつつもそれに甘えている。
先程昼食をとり、今は3時を回ったくらいだ。
「・・・暇だなぁ・・・」
掃除用具を片付け、拓也はソファーに腰掛ける。
いつもは、輝二と一緒にティータイムなのだが、元々拓也はその身分ではない。
今日も輝二が他のメイドに言い、ちゃんと机には綺麗なお菓子といい匂いのする紅茶があるのだが、食べる気も飲む気もしない。
それは、輝二が居るからこそ美味しいものなのだ。
ボ〜ッとしていると、だんだんとウトウトしてきた。
ダメだ、と思いつつも、暖かい日差しに瞼は決して上がってくれない。
ズルズルと背が傾いていき、頬にソファーの心地よい感触が伝わる。
それが決めてとなり、拓也は遂に眠ってしまった。

ふっと意識が戻ったのは、何か違和感を感じたからだ。
重圧を感じているような、人が近くに居る気配をするような。
それでも、まだ眠りの最中にいる拓也の瞼は、確認したくてもあがってはくれない。
が、サラっと頬に何かが触れた気配がし、拓也は今の自分の状況を思い出して、意識を覚醒させた。
「すいません輝二さま!つい寝ちゃって・・・」
ばっと身体を起こし、人が居るであろう方に頭を下げると、クスクスと笑い声がした。
「・・・?」
そっと顔を上げると、ニッコリと柔和に笑んでいる青年が居た。
が、拓也が驚いたのはその事ではなかった。
「・・・こうじ・・・さま・・・?」
拓也が呟くと、青年はニコニコと笑いながら否定する。
よく見ると、確かに輝二ではない。
黒に近い紺色の髪を持つ輝二に比べると、この青年の髪はやや色素が薄い。
髪の長さも、伸ばして縛っている輝二に比べて全然短い。
それでも、顔や目などが、輝二にとてもそっくりなのだ。
回らない頭で、拓也は静かにパニックを起こす。
その様子を見て、青年はさらに笑みを深くする。
その柔らかい笑みに、拓也はドキッとする。
あまりに、輝二に似ていたから。
「こんにちは」
話し掛けられ、拓也はハッとし、ペコリと頭を下げる。
「こっこんにちはっ!」
顔を上げると、青年はやはり笑顔で、ちょいちょいと下を指差した。
「・・・・・・?」
その指の先を追うと、自分の下半身を指していた。
・・・短いスカートが、寝ていた時に捲れたのか、もう少しで見えるところまで来てしまっている。
「・・・・・・っ!!!」
真っ赤になって拓也はバッとスカートを直す。
「あ、あの・・・見苦しいものを・・・」
拓也は恥ずかしさに顔を上げれなくなり、耳まで真っ赤に染めた。
「いーえ。いいものを見せてもらっちゃったな♪」
その言葉に、拓也は首も真っ赤に染める。
「えーっと。それでキミは何て言うのかな?」
そう言えばまだ自己紹介もしていないと思い、拓也は顔を上げた。
思いがけず相手の顔が近くにあり、拓也は照れながらも何とかしゃべる。
「あの・・・えと、源家に使えさせていただいています、拓也と言います」
よろしくお願いします。
と、拓也はペコリと頭を下げる。
「うん。こちらこそよろしく」
顔を上げると、さらに青年の顔が近くにあった。
思わず後ろに下がると、青年がまたさらに寄ってくる。
「あ・・・あの・・・?」
「そっか。キミが拓也かー。あれでしょ?輝二の専属メイドの」
「・・・は、はい・・・」
何で知ってるんだろうと思い、しばらくその状態が続いたが、ソファーの端に来てしまった拓也は、それ以上逃げれなくなってしまった。
「輝二から俺の事は聞いてない?」
ふるふると首を振ると、青年はやはりニッコリと拓也に迫る。
逃げ場のない拓也に覆い被さるように迫り、さらに息がかかる距離でさらに喋る。
拓也はもうビクビクと震える事しか出来ない。
そんな拓也の様子を見て、青年はクスリと笑う。
「だーいじょーぶ。恐くないよ」
何がですか?と聞き返そうと開いた口からは、声は出なかった。
パチクリと拓也は眼を瞬きする。
一瞬で離れたが、またソレは拓也の唇に振ってきた。
拓也よりも体温の低い、ソレ。
まるで輝二さまのキスみたい・・・と思ってから、拓也は青年にキスされていると気付いた。
「んー――――っ!!」
遅れて抵抗をみせるが、いつの間にか両腕は青年の片手で拘束されており、身体も青年に乗っかられているのでほとんど身動きが取れない。
バタバタと足をバタつかせるが、青年はまったく気にせずキスを続ける。
「・・・ぅっ」
拓也が一瞬抵抗を止めたのは、口内に何かが侵入してきたからだ。
輝二からもされた事のない深いキスに、拓也はさらに混乱してしまう。
ついには涙が出てしまうと、青年は一度唇を離し、頬を流れる涙をチロリと舌で拭った。
そして、未だ泣き続ける拓也に苦笑をすると、耳元に口を寄せ、
「拓也・・・・・・」
と囁いた。
それがあまりにも輝二の声に似ていたので、拓也は泣く事もあがらう事もやめてしまった。
青年はそれを見逃さず、またキスをし始めた。
またしても口内に侵入してきたソレが、舌だと拓也はようやく気がついた。
奥に引っ込めた拓也の舌を絡めるように、ソレはさらに深く侵入し、そのために青年は角度を変えて何度も拓也にキスを落とす。
「〜〜〜う・・・っ」
息が苦しくなってきて思わず力を抜いてしまうと、それを見逃さず青年が拓也の舌を絡め取った。
すると青年が少し口を離したので、拓也はそこから思いっきり空気を吸い込む。
それを確認して青年がまたキスを深くするので、拓也の口からは妙に甘い声が漏れる。
「んっ・・・ふ、ぁ・・・あ・・・っ」
ちゅ、くちゅ、と言う水音が広く静かな部屋に響き、拓也の羞恥心が刺激される。
長く深いキスが続き、拓也の頭の中はボーとしてきて、くたっと身体から力も抜けてしまう。
・・・と、何か身体に違和感を感じる。
胸から腹、腰等を、青年が空いた片手で撫で回しているのだ。
「・・・んっ・・・!」
あがらいたくても続けられているキスのせいで身体に力が入らない。
胸元のリボンを解かれ、その下のボタンをプチ、プチっと外されてしまう。
そしてその隙間から、手を入れられる。
「んんっ・・・!」
ヒヤリとしたその感触に、拓也はギュッと眼を閉じる。
そしてその手はサワサワといやらしく動き始める。
胸の突起を探り当てると、中指で潰すように捏ね回したり、摘んだりする。
「ふ・・・ふぁ、ん・・・っ」
そのたびに甘い声が拓也の口から漏れる。
それが恥ずかしくて身を強張らせてしまい、さらに拓也は動けなくなる。
「・・・拓也、かわいい・・・」
クスッと笑った声がして、さらに手付きは大胆になる。
唇と共に舌も首を伝い、鎖骨を甘噛みし、メイド服を左右に広げてその唇を、舌をさらに胸へと寄せていく。
「あぁ、ン・・・っ!」
いつの間にか解かれていた手で、青年の頭を掴んで引き離そうとはするが、がっちりと拓也の身体は青年に掴まれており、逃れられない。 先程入れた手の動きはそのままで、もう片方の胸の突起を唇と舌で愛撫する。
「ひあっ!!・・・やめっ・・・やめ、て・・・っ!」
ゾクッと快感が背筋を突き抜け、さらにソレは次々にやってきて、拓也を襲う。
歯でクッと噛まれると、拓也は声の無い嬌声をあげた。
しばらくそうしていたが、青年はさらに身体を下へとずらす。
ヘソを舌で舐めて、その周辺をも舐めると下腹がヒクヒクと痙攣した。
そして唾液で濡れた突起は、先程から愛撫している手で交互に撫でていく。
「――――――っ!」
拓也は目を見開く。
拓也の手を拘束していた方の手が、スカートの裾から侵入してきたのだ。
太腿を撫で、その手はすぐに内股へと伸ばされた。
「・・・・・・っ!」
ぎゅっと涙を浮かべて眼を閉じる。
その指先が下着に少し触れた瞬間、救いの声が聞こえた。
「そこまでだ・・・っ」
ぱっと目を開くと、今まで見たことも無いくらいに恐ろしい形相をした輝二が、青年の後ろから果物ナイフをその首にヒタリとつけていた。
青年の笑みも凍り付いている。
「今すぐ、拓也の、上から、退け・・・!!」
一語一語はっきりと聞こえるように区切りながら、ドスの聞いた声で輝二が静かに怒鳴ると、青年は両手を上げて拓也の上から退いた。
「はいはい、わかりましたよ〜・・・」
反省しているのかしていないのかわからない声で青年は輝二に向かい合った。
いきなりの自分の主人の登場に、拓也はビックリして固まってしまう。
「拓也・・・っ」
輝二は青年に向けていた果物ナイフを置くと、自分の上着を脱いで拓也に着させてやる。
「大丈夫だったか、拓也!?」
「しっつれいしちゃうなぁ。人を危ない人みたいに」
しれっと言う青年に輝二はまたギッと睨む。
「初対面で強姦するヤツは十分危ないヤツだ!!」
「違う、違うよ輝二。まだ強姦には至ってないって」
「ここまでしてれば十分強姦だっ!」
唖然としている拓也をギュッと抱きしめてやり、輝二はいつもはあげない大声を張り上げる。
そしてしばらく青年を睨んだ後、すまなそうな心配そうな表情で拓也を見る。
「すまなかった拓也。まさかこいつが帰ってくるなんて思わなかったから・・・」
「輝二が出かけるって聞いたから、帰ってきたからねー」
向こうでは青年がそんな事を言っているが、輝二は無視した。
「・・・こいつは・・・・・・ホントにホントに不本意だが・・・こいつは俺の双子の兄の、輝一だ・・・」
「えっ!?」
拓也はその一言に、ようやくまともな反応を示した。
マジマジと青年・・・輝一を見やる。
なるほど、双子ならここまで似ているのも納得できる。
「え・・・でも輝二さま、一人っ子だって・・・っ」
「えーっ輝二そんな事言ってたの?愛する兄をそんなふうに愚弄するなんて・・・」
「愛してなんぞいない」
ズバッと輝二が切り付ける。
「・・・こんなん性格の兄が居るなんて、ばれたくなかったんだ・・・」
現に、初対面で拓也を犯そうとした。
「こいつは社交面で親父を補助しているんだ。だから滅多に帰ってこないから・・・」
「それに、一人っ子で『輝二』はないでしょ?」
確かに言われてみれば、なるほどと頷ける。
「じゃ、じゃああの扉は・・・」
「あ、あれ?あっちの部屋は俺の部屋に繋がってるんだ♪いつでも輝二の部屋に行く時、時間を短縮できるようにね☆」
「・・・いつの間にか作ってたんだ・・・」
ゲンナリと輝二が溜め息混じりに付則する。
「・・・それにしても・・・」
輝一はクスリと笑いながら、拓也の方へと近付いてくる。
輝二が威嚇するが、もう慣れているのかさらっと無視する。
「拓也は本当に可愛いねvどう?輝二の専属メイド止めて、俺の専属メイドにならない?」
「バカを言うな!大体、専属メイドって言ったって、お前ほとんど家に帰ってこないじゃねェか!!」
輝二のセリフに、輝一はふふふ。と不敵な笑みを漏らす。
「実は今の親父の仕事があらたか片付いたもんで、俺もしばらくはここで書類を片付ける事になったんだ」
「・・・・・・!!!」
輝二は目を見開いて、信じられないとばかりに驚く。
「ま、そういうわ・け・で☆」
輝一は、まだ呆然としている拓也に、さらに顔を寄せる。
「これからもいろいろとよろしくね、た・く・やv」

・・・その後、輝一が輝二にすぐふっとばされたのは言うまでも無い・・・。



☆END☆


コメント

すみませんすみません(いきなり土下座か)
ここ最近ずっと頭を回っていたネタなのです・・・。
初期の設定では輝一は出ない予定だったのですが、あまりに悶々悶々頭の中を回ってくれるんで、出してしまいましたー(泣)
・・・すっごく・・・すっごく皆様からの反応が恐い・・・。
えろシーンは書いてて正直楽しかったです(苦笑)
・・・・・・ところで・・・・・・。
私・・・実は今、拓也の性別まだ決めてません・・・・・・。
み、皆さんはどちらがいいですか☆(逃げた)