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儚い吐息 ※ この小説には性描写がありますので、お気をつけ下さい。 まるで自分が生かしているように思える。 決してそんなことはないとわかっていても、優越感に浸ってしまう自分がいる。 どたどたと廊下から乱暴な足音が聞こえ、肌が感じる気配に神田は読みかけの本を躊躇いもなく閉じた。 (ようやく任務が終わったのか・・・) 無事帰ってきたことにホッとし、ベッドから身体を起こした。 あの焦りようからして、きっと彼はまた報告を済ませてすぐに自分のところへ向かってきているのだろう。 ―――枯渇しているようだ。 自分を求めてくれるラビの姿を見て、いつも神田はそう思う。 恥ずかしくて、それでも嬉しい。 ノックもせず、鍵など最初からかかっていないようにドアを開けて一言も発さずにズガズカと汚いなりで入ってきたのはやはりラビだ。 「ん・・・ッ」 そのまま、神田にダイブするようにして唇を重ねる。 鼻につくのは砂埃と汗の匂い。 目の前が橙に染まった視線を少し逸らすと、頬に擦り傷を見つけて眉を寄せる。 「・・・傷くらい手当してから来いつってんだろうが・・・ブックマンのクセに覚えられねぇのかテメェの頭はッ」 ちゅ、と音を立てて唇を離し、形ばかりの悪態をつく。 「覚えてるけど、それよりもこっちの方が大事さ。・・・ユウを補給しない方がオレ死んじゃう」 まるで子供のような言い方に、神田はほとほと呆れてしまう。 そしてそれ以上のじわじわと込み上げてくる抗いようのない嬉しさを感じてしまい、悔しくなる。 会いたかったのは彼だけじゃないんだから。 「ユウ・・・」 再び近付いてくる唇を拒む理由がなく、神田はそれを素直に受け入れる。 ン、と言葉すら飲み込みながら暖かい舌が再び神田の口内へと侵入してきたことに少しだけ息を詰める。 キスは・・・キスも、いつまで経っても慣れることがない。 深く長いキスの時は鼻で息をすればいい、とラビは言うが、そう言われてすぐに出来る訳もなく、何回も挑戦しているが呼吸よりもラビの舌を、手を、感覚の全てを持っていかれてそれどころでなくなってしまう。 (―――そう、か・・・) ぼんやりとしていく意識の中、ふと神田は先程の自分の言葉に答えを見つける。 (枯渇してる、のは・・・俺もか・・・) 自分より幾分か高い神田の体温は、ラビが触れると更にその暖かさを増す。 興奮しているのだと思うと嬉しくて、思わずがっついてしまいそうになるのをなんとか抑える。 想像なんかではない、久々に感じる本当の神田の体温に泣いてしまいそうなくらいの安堵を覚え、ラビは更に舌を深く挿入していく。 逃げていってしまう神田の舌を唇の角度を変えて何とか絡め取ると、それ以上奥へと逃げられないようにチュウ、と強めに吸う。 抗いきれない神田の舌はラビの口内へと招かれて、甘噛みされて逃げられなくなってしまう。 「ン、・・・ぅン・・・ッ、」 濡れた音を立てて舌が絡まり、唇が触れ合い、唾液が流れて来る。 体勢的に下になっている神田が必死に唾液を飲み込んでいくが、ラビに喘がされる合間に飲み込むソレとまったく量が比例せず、それは口端から頬を伝い項へと流れていってしまう。 (・・・もったいないな・・・) 「もったいね・・・」 こっそりそう思っていると、ラビからもまったく同じ言葉が呟かれて項からすぅっと肌を舐められる。 そのことをじんわりと嬉しく思いつつも、少しだけ自由になった口で必死に呼吸をしていく。 けれどすぐにまたラビに唇を塞がれて歯列や上顎など、もう舐められたところなど欠片もないような執拗さで犯されていき、神田はまたくぐもった声を上げてしまう。 そんな神田も目に焼き付けたくて、いくら焼き付けても足りなくて、ラビは目をそっと開けて至近距離の神田を見つめる。 漆黒の睫はふるふると震え、薄い瞼の向こう側にある黒曜石の瞳は今は見えない。 ラビは神田の腰に回していた手をそっと外すと、その手でシャツの裾を掴んだ。 キスに夢中になっている神田はそれには気付かなかったものの、シャツの一枚下にある素肌を触られるとさすがにビクリと身体を揺らした。 「んっ、ア・・・っ」 わき腹を撫でると、まださらりとしたすべらかな肌があり、およそ男のものとは思えないくらいのその心地よさにラビはまた酔ってしまう。 「ユウ・・・ん、ユウ・・・ッ」 鍛えてある硬い腹筋や、肋骨を触りながら手を上へと上げていく。 ラビとこうするようになり、触られることにも弱くなってしまった神田はそれだけでヒク、ヒクリと身体を揺らして逃げ出そうとする。 もちろんそれをラビが許すはずもなく、もう片方の手で肩を固定して逃げるのを阻止した。 「、ら・・・んンッ」 何か言葉を紡ごうにも、ベタベタになってしまった唇が離れるのは一瞬だけでまたすぐにラビにふさがれてしまう。 揉むような手つきで胸へと辿りつき、その手でぽつんと小さく主張している乳首を見つける。 「ンッ」 一際高い声がラビの中へと吸い込まれていく。 「・・・ここ、もう勃ってるさ・・・」 唇がまだ触れ合う位置で囁かれ、かぁっと神田は顔を紅く染める。 自分で触っても何にも反応がしない、普段ならば忘れているはずのその乳首はラビが触る時に限ってうるさいくらいに主張していく。 決してその快感は強すぎはしないものの、逆にイけもしないその快感はむず痒い思いを神田にさせるのだ。 ラビももちろんそのことを熟知しているので、殊更しつこくソコを弄ってきて、左胸の乳首を潰すように人差し指の先でくにくにと押し潰したかと思えば、中指との間に挟んで伸ばして擦り合わせてくる。 「あ、ぁ・・・ン、ぅあ・・・」 普段ならば呼吸を整えていられる筈のラビの荒い呼吸が顔に当たる。 欲望のままキスをしていると二人とも窒息してしまうので、離れてはくっつくという繰り返しが段々と増えていき、そのたびに耳に届くチュッと言う音が酷く羞恥心を仰ぐ。 ラビは身体をもぞもぞと移動させて神田の足に自分の脚を乗せて固定すると、肩を抑えていた手でシャツのボタンを外しだす。 その手間すら惜しく、シャツを引き裂いてしまいたかったが、さすがにその後の神田の行動を思うとまだ残っていた自分の冷静な部分が押し留まらせた。 多少手間取りながらもようやく最後の一個を外し終えると、すぐにラビはその合わせ目を持ってガバリと左右に大きく開く。 「ッふ・・・」 それほど寒くないとは言え、いきなり外気に晒されたことに神田はまた身体を大きく揺らしてしまう。 ラビは神田から唇を離すと、そっと上体を持ち上げた。 「――――」 ふわりと桜色の染まった肌。 先程までさらりとしていた肌は、今は興奮と緊張とでしっとりとしており吸い付くようだ。 焼き付けるだけでは、全然足りない・・・。 改めてそう思うと、ラビは再び身体を傾けて神田の首筋へと顔を寄せた。 「・・・痕、全然残ってないさね・・・」 甘噛みをし、ぺろぺろと舐めると、甘いものが嫌いな筈の神田の肌はまるで砂糖菓子のように甘く感じる。 「ったりめぇだろ・・・、さいご・・・にシたの・・・いつだと思ってんだ・・・ッ」 照れたように、そしてどこか不満そうに言ってくる神田の言葉が嬉しくて、ふと笑顔が漏れた。 そしてそのカスタードのような肌に赤い華を咲かせたくなる。 「じゃ、またたっくさんつけちゃうさ」 言ってすぐに唇同様に唾液でどろどろになっている首筋に吸い付く。 強く吸うとかすかな痛みと快感を拾ってしまうのか神田の身体がヒクリと跳ねる。 じゅっと空気も一緒に吸い込んだソコを見ると、一点の曇りもなかった肌に綺麗な紅が咲いた。 「綺麗さね・・・」 ポツリと呟き、少しだけ身体をずらしてまた咲かせていく。 「ンっ、は・・・ぁ・・・ふ、ぃ」 シャツを開いた手はまた乳首を弄り出したので、神田はまたその快感に流されていく。 しかも今度は声を殺してくれるラビの唇がない為、嫌でも自らの声が耳に届いてしまう。 組み敷かれているとは言え、男としてのプライドを殺した訳ではないので、焼けるような羞恥心が神田に襲い掛かる。 ラビがやんわりと遮るので、手で口を塞ぐこともできない。 「はぁ・・・ふ、・・・ラ・・・ッ」 鎖骨まで下がったラビの頭は、首筋の反対側へとまた上がってくる。 髪の生え際に吸い付かれると、首筋とはまた違う快感が押し寄せてきてふるりと身体が震えてしまった。 「・・・ここ、気持ちい?」 そのまま耳に吐息と一緒に声を吹き込まれ、耳朶を食まれたと思うと舌が耳の中へと入ってくる。 「ばか・・・やめ・・・!」 ラビの呼吸と体温、そして感触がいっぺんに襲い掛かってきて、しかもそれが耳のすぐ傍でうごめいているのでどうしても必要以上に感じてしまう。 耳全部を口に含まれ、吸われたままラビが頭を上げるので、スポンッと音を立てながらラビの口内から出て行った。 もう一度、生え際にキスマークをつけられる。 「またたくさん、オレの華咲いたさよ」 嬉しそうに言うラビの言葉に少しだけ頭を上げて自分の胸元を見てみれば、鎖骨の辺りだけでもかなりの数が付けられている。 それ以上に吸い付いていた首筋は、もっとたくさんの赤い華が咲いているのだろう。 照れ隠しにバカ、と呟き、また神田は枕に頭を沈める。 「それよりも、ラビ・・・ッ」 「ん?」 キスマークとつけられている時も耳を舐められている時もずっと弄られている乳首は、今はもう痛いくらいにとがっている。 こうなるともう段々と苦痛が先立ってきてしまう。 「手、どかせ・・・!」 わかっているくせに、情事の最中いじわるになるラビは神田が明確に声にするまでその行為をやめようとはしない。 ラビはニッと笑うと、わかったさ。と言ってずっと弄られっぱなしの左胸から手を離した。 ようやく離れていった手にほっとしていると、今度はそこにぬるりとしたものが触れて、神田は情けない声を出してしまう。 「ひぁ・・・・・・ッに、すんだ・・・いじんなっつってんだろ・・・!」 「手ェ退かせって言われたけど、弄んなとは言われてないさ。・・・それにココ、すっげぇ真っ赤になっちゃったさ。責任とらんと」 敏感になりすぎている乳首は指で触られると痛みを伴うほどだったが、舌の濡れて柔らかい感触は再び快感を持ってきてしまう。 尖らせた舌で乳首を左右上下に押して、溜まった唾液を一緒に吸い上げる。 「ン――――・・・ッ」 腰を少し持ち上げてしまうものの、声はなんとか抑えることが出来た。 ラビは同じ様に右胸に吸い付き、弄ってはちゅぱちゅぱと音を立てて吸い舐めていく。 「ここからユウのおっぱい出ればいいのにな。きっとうまいに決まってるさ」 「ば、か・・・ッ!でるわけ、ン・・・ねぇ、だろ・・・ッ」 「もちろん知ってるさ。でも、出たらいいなって」 くすくす笑いながらも、しばらくまたそこから離れない。 ちゅうちゅうと音を立てるそこが気になりながらも、意識はまた動き出した手も気にしている。 わき腹を行ったり来たりして何度も何度も撫で上げ、たまにズボンの中へと少し手を突っ込む。 親指が下腹に触れるたびにびくびくと痙攣したように震えては泣きたいくらいの羞恥心に襲われてしまう。 「ユウ、期待してくれてる?」 わかっているくせにラビが羞恥心を煽るように聞いてくるので、神田はなんとも答えられずに唇を噛み締めてしの言葉を無視する。 神田が素直に答えてくれないのは百も承知で、ラビはそのまま行為を続行していく。 わき腹から腹筋をなぞり、ズボンの上から下腹を辿って行くと、神田から、ァ・・・。と言う小さな声がもれた。 そのままそうっと柔らかく股間を触ると、神田の性器がもう勃ち上がって窮屈そうにしている。 「期待って言うか、ユウももうオッケーって感じさね」 そう言うと、片足の拘束を解くとそこに自身を押し付けた。 「―――ッ」 ラビのそこは神田と同じくらい熱をはらんでおり、ハッとラビを見上げると熱に浮かされるようにしてこちらを見ている。 予想以上の余裕のなさに、神田は不覚にもドキリとしてしまう。 そう言うラビの表情は普段はない大人の男の雰囲気を醸ち出しているから。 「ね、ユウも気持ちよくなりたいよね?」 「ッあ、・・・ぁア・・・ッ」 思わずラビを見つめてしまっていると、カリカリと爪を立ててソコをズボン越しに擦られる。 布地が擦れるなんとも言えない感触に思わず声をもらしてしまうと、ラビは他の指も使ってソコを更に刺激してくるので喘ぎが止まらない。 「はっ、く・・・ラビ・・・ァ、う・・・やめ、ぇ・・・!」 何とか堪えようとするも一度漏れてしまった声を再び口の中に収めるのは難しく、あられもない声が高く部屋に響いてしまう。 ラビとしてはいつまでも聞いていたいその声をわざわざ止める必要はまったくないので、神田の言葉を無視してジッパーを下げる。 「声出したらいいさ、ユウ。別に感じることは変なことじゃないんだし」 「ン、・・・そいうもんだい・・・じゃ・・・ッ、ぅっあ!」 ベルトも取り去られると、まるでバンザイをするように足を天井に向けて上げて一気にラビはズボンを脱がしてしまう。 窮屈な思いをしていた性器はふるりと震えて飛び出すと、さっそく先走りを神田の肌へと広げた。 「あは、もうベタベタ」 「―――――ッ」 足を閉じられないようにまたラビの身体が間に入り、更に足首を持ってM字に広げられると、あられもないところまでがラビの眼前に晒される。 「ここも、ほしいほしいってヒクヒクしてる」 まだ直接的な刺激が与えられていない蕾もヒクヒクと収縮を繰り返してラビが与えてくれる快楽を待っている。 そっとラビがソコに触れてやると、いっそうキュゥ、と絞まった。 「、ッは―――」 また恥ずかしい声が漏れてしまい、自身で聞いているのも耐えられなくて手で口を塞ぐと、あ。とラビは不満そうな声を漏らすものの、無理に外そうとしない。 前に声が聞きたいと無理に外そうとしたら思わぬ反撃を食らって、更にお預けになったことがあるからだ。 それだけでも大ダメージだと言うのに、そのあとの機嫌取りがまた大変なのだ。 (どっちにしたって、声は漏れちまうんだし) 心の中で呟きながら、ラビは身体を伏せてそっと神田の内太腿に頬を寄せた。 「―――――ッ」 すべすべて暖かく、まるで赤ちゃんの頬のような肌触りだが、神田は弱いところの一つであるその場所を刺激されて堪らず身体を震わせてしまう。 「――ァ・・・は・・・ンッ、ぁ、ァ――ッ・・・」 ラビの頬はもちろん、猫っ毛の一本一本がさらさらと肌を滑っては微妙な心地を生んでいき、神田は顔を横に逸らせた。 「ほんっとユウの身体ってきもちいー・・・ね、今度素足で膝枕して欲しいさ!」 誰がするか!と言いたいが、今手を離してしまえば別の声が漏れてしまうのは目に見えていて、神田は悔しくもその言葉を飲み込む。 「きっとすんげぇきもちいんだろーなぁ〜・・・楽しみさっ」 いつのまにかそれがラビの中では肯定に変わっており、神田は込み上げる怒りと共にうっかりその様子を想像してしまう。 ラビのことだから、絶対に膝枕だけでは終わらない。 きっと目の前にある神田の性器にいたずらをして、口に含んで、後腔を弄って―――― 「――――ッ」 克明に感触までも想像でき、神田の身体は正直にまた性器からとろりと先走りが漏れ出す。 また濡れた、とラビは嬉しそうに笑いながら、股間から神田を見てニコリと笑ってくる。 「ユウ、何想像したん?エッチなんだから☆」 言い返したくても、想像して濡れてしまったのは本当なので何にも言えない。 頬をすり寄せながら、時々その肌をペロリと舐める。 「・・・ユウをもっと感じたいさ・・・じゃないとどうにかなっちゃいそう・・・」 「―――ふ、っく・・・はァあ・・・あ、ァ・・・!」 脚のつけ手をべろりと舐め上げ、ラビは一気に神田の性器を口の中へとおさめた。 柔らかく濡れたソコに包まれると、それだけでびゅくりと今まで以上の白濁液が漏れてきて、汚い、と思いながらも、ラビの口内に包まれる感触は昇天してしまいそうなくらいに気持ちよくて、どうしても強くやめろとは言えない。 ベロベロと唾液をつけながら性器を舐めては飲み込むように喉の奥を締めて亀頭にも刺激を送る。 「は、ぁ、ぁ・・・ンぅ・・・あ・・・」 唾液は肌を濡らして陰嚢へと流れていく。 蕾に暖かいものが到達すると、それだけで腰が動いてしまう。 「ン・・・そいえば・・・おっぱいが出なくったってこっから似たようなのは出るさね」 「ふぁあ!、しゃべ・・・んなぁ・・・!」 手では抑え付けられない刺激に大きく喘ぎ、整わない呼吸の中でなんとか神田はそれだけ言うが、ラビがそれでやめるはずがない。 神田は直接の刺激がなくても、言葉で感じてしまうのだ。 「とろっとしたのもっと出して欲しいさ。したらオレが全部舐めて飲んで、栄養にしちゃうから」 「――――ッ」 予想通り、ラビの言葉に反応して神田の性器からまた甘い蜜が零れてくる。 それを音を立ててチュウっと吸い上げると、今度は手を使って幹と陰嚢をこすっていく。 「あ!ぁあ・・・、ぅン・・・ァ・・・っ、ッ」 陰嚢はまだやわらかく、中の玉を擦り合わせるように揉んでやると強く握るごとにぴゅくぴゅくと蜜が流れていく。 幹を擦る手は、特に親指を裏筋に添えて容赦なく追い詰める。 「ひ、ふ・・・は、・・・ンぁ・・・あ」 徐々に流れてくる蜜の量が増えてきて、ラビは嬉しそうにそれを少しも漏らさずに飲み込んでいく。 「ら、・・・だめ、だめだ・・・ァ・・・」 肩に重みがかかったと思うと、言葉とは逆に引き込むようにして足がラビの身体に絡んだ。 もっと、もっと。と欲しているように見えて、ラビは神田の偽りの言葉を無視する。 幹から手を離し、また喉奥まで性器を飲み込んで更に吸っていくと神田がまた高く喘ぐ。 性器はパンパンに膨れ、そろそろイってしまいそうだ。 「ら、・・・ラ・・・」 神田も必死にそのことを伝えようとしているらしく、ラビの名前を断続ながらに何度も呼ぶ。 「なに、どしたさ、ユウ」 「ッ、・・・い、・・・ッ、・・・、」 けれど誇り高い神田がその言葉を簡単にはく筈もなく、一度は言いかけた神田はまた口を閉じてしまう。 「・・・イきたいさ?」 聞いてやると、こくこくと首を上下に振る。 「いいさ。・・・オレにいっぱい、ユウの甘いせーえきちょうだいね」 「あ!ぁあ!・・・ぅ、ン・・・っア!」 ラビの口と手が更に早く動き出す。 陰嚢はもうパンパンで、いつ出してもおかしくはない。 尿道もぱくぱくとその口を開けては大量の液を漏らしてきて、ラビはまたそれをちゅうちゅうと吸う。 神田は頭を左右に振って何とか少しでもその快感の渦から抜け出そうとするが、それだけで収まる筈もなく。 「ユウ、を、ちょーだい」 口に含んだままそう呟くと、ラビは幹に軽く歯を立てると舌先で尿道をぐりぐりと刺激しながらちゅうぅぅぅ・・・!と思い切り吸い込んだ。 「―――――ひ、ぁああぁぁ、あっ、ぁああ、ッ!」 目の前が真っ白になるくらいの快感に、抑えきれない嬌声。 ラビはそれをBGMにしながら口内へと放たれた神田の精液を全て飲み込み、ごくごくと喉を鳴らしていく。 自慰と言うものをほとんどしない神田の精液は濃く、独特のその味と匂いを噛み締めるようにして飲み干した。 「――――は、・・・は、は、は・・・」 射精は暫く続き、ようやく終わったことに神田は浮いてしまっていた尻を濡れたシーツへと戻す。 もう一度ラビは性器に口をつけると、喉の奥についてしまうくらに深く飲み込み、唇を窄めて管内に残っている精液をも搾り出すように吸い出す。 「んぁあ!」 予期していなかった刺激にまた高く喘いでしまう。 「ん、やっぱおいしかったさ」 にっこりとラビは笑い、神田の股間から身体を起こすとそのまま伸び上がって頬へとキスを落とす。 「・・・うまいわけ、ねぇ、だろう・・・が・・・あんなもん・・・」 実際ラビのを奉仕し、飲んだ時もあるが、お世辞にもおいしいとは言えない味だった。 それを本当においしそうに飲んでいくラビが、神田は信じられない。 「うまいさ。だってユウが出してくれたもんだよ?・・・言っちまえば、ユウの一部を取り込んだ訳だし」 部屋に来た時に見せた焦燥などない輝くような笑顔に、神田は背中をむずむずとさせる。 ・・・そんな笑顔を見せられては、本当にそうだと思ってしまうではないか。 「・・・ひ・・・ッ」 完全に身体から力が抜けてしまっていると、冷たいぬるりとしたものが後腔に触れた。 まるで痴漢にあった女のような情けない声を出してしまったことにカァッと頬を染め、いきなり触れてくるラビをキィッと睨み上げる。 「っ、急に・・・触んな・・・ッ」 「だってユウ、イれるよって言うと力入れちまうじゃん。・・・今ちょうどイったばっかでふにゃふにゃだし、ほぐすなら今しかないさ」 「だからって・・・あ、あぁ・・・ン・・・」 口を開くと喘ぎ声を漏らしてしまい、神田は再び口を塞いだ。 くぐもってしまった神田の嬌声を惜しく思いつつも、そろそろ自分も限界なのでほぐすことに専念する。 自身の唾液と神田の精液で濡れた指で、ひくひくと収縮を繰り返す襞を捲るようにしてナカへと挿入していく。 決して無理には挿入せず、収縮にあわせてラビの指が入っていき、まるで自分が引き込んでいるようで恥ずかしい。 久々の刺激に期待する半面、しばらく放って置かれたソコはまだうまく快感を拾ってはくれずに違和感をもたらす。 それでもラビが欲しいと言う気持ちは変わらず、早く。早く。と気が急いでしまう。 「っ、は・・・・・・ン・・・ッ」 ようやく一本が挿入されたが、ナカはもちろん濡れてはおらず、ラビの指からも湿り気がすっかりなくなってしまっている。 「・・・やっぱちょっと足りんか・・・」 このまま動かせば神田に必要以上の負担を与えてしまうので、ラビは無理に指を動かさずに顔を再び股間に埋める。 「あ、ユウ、枕貸して」 「・・・?」 二つあるうちの一つをラビに渡すと、ラビは神田の身体を少し持ち上げて腰に枕を挟みこんだ。 先程よりも見えやすくなった後腔に再び顔を近づけると、指が入っているソコに舌で隙間を作る。 「ラ・・・ぅああ・・・ッ」 ストローのように丸めた舌から胎内に唾液が落とされていき、生暖かい感触に少し持ち上げた身体が再びベッドに沈み、流れてきた唾液をラビは器用に中指を使って内壁へと塗りこめていき、摩擦を減らしていく。 「、は・・・ぅ・・・ア・・・」 ついでに舌は入り口をほぐすように抜き差しを繰り返してくる。 ナカの浅い部分よりもよほど感じやすい入り口を擦られて神田はまた性器を持ち上げてしまう。 その様子を間近で見たラビは嬉しそうに目を細め、充分濡れた胎内から舌をするりと抜き取った。 「ン、ッ!」 変わりに指をもう一本差し込み、ナカの深くを拡張していく。 前立腺の場所などわかっているくせに、あえてソコを刺激せずにほぐすことに専念するラビの指。 唇は戯れのように性器に口付けを送り、再び漏れ出した蜜を飽きずにまた舐めている。 ぞくぞくと背筋を快感が絶え間なく走り、まだせまいはずの腔内はもっと大きなラビの怒張を求めだす。 (く、そ・・・ッ) 早く、指も性器も届かない、一番乾いている場所を濡らして欲しくてたまらない。 「しばらくヤってなかったから、ちっとキツくなっちまってるさね・・・」 「―――ッ」 もう少しほぐさんと・・・と言うラビの呟きが聞こえ、神田はたまらずに足でラビの顔を抑え付けた。 「わっぷ・・・ッ」 「――ァ――、」 自分で引き寄せたくせに、体勢を崩したラビの顔が思い切り性器に当たると小さく喘いでしまう。 股間からきょとんとした顔を上げると、神田はその目を見れずにただ足でラビを抑え付けてくる。 ああ。と神田の示すものを理解し、苦笑しながらラビは身体を起こして神田と額をあわせた。 「・・・いいの?まだほぐしたりないさよ?」 「―――――」 かぁっと顔に血が上る。 イれろと言わんばかりの自分の行動を振り返り、それでも撤回は出来ないくらいに身体も心も追い詰められている。 「ユウ」 ラビが再び聞いてくる。 神田はきゅっと目を閉じると、まるで空気に溶けてしまうような声で、いい。と呟いた。 ふわりとラビは笑うと、額を離し、ちゅっと触れるだけのキスを落とす。 「もう、絶対止められんからね。三回は絶対しちゃうさ」 「・・・お前が一回で止められたこと、あんのかよ」 今更な忠告にボソリとつっこむと、確かに。とまたラビが笑った。 けれどその表情からはあまり余裕は感じられず、そっと視線を落とすと先程よりも張り詰めたラビの怒張がズボンの上からでも良くわかる。 「――――」 自分を見てそうなってくれるのが嬉しくて(もちろん他のヤツは願い下げだ)神田はそっとラビのジッパーに手をかける。 「ユウ?」 ジィ・・・と音を立ててジッパーを降ろすと、下着の中に手を入れて性器に触れる。 何もしていないはずなのにカチカチに勃起しており、とても熱い。 先端から漏れ出している先走りを塗りこめながら、神田は自分の手で自分のナカに入るものの準備を整えていく。 積極的な神田の態度にラビは感激しながらも、このままでは神田のナカに入る前に出してしまいそうで神田の手を包み込むように自分の手でも自身を濡らす。 神田の乾いた手で伸ばすのとは違い、もうしとどに濡れている自分の手で擦ると、途端にニュチニュチと言う卑猥な音を立てだした。 合間に神田の手を刺激してやると、それだけでビクリと神田は身体を揺らしてくれて、とても可愛らしい。 「も、いいさ」 そっとラビは手を外すと、神田の足を持ち上げて下半身を密着させた。 「―――――ンっ」 後腔にラビの先端が触れただけで小さく神田は喘ぎ、きゅっと目を閉じる。 神田にバレないようにラビはくすりと笑うと、もう一度自身を持ち上げてしっかりと神田の後腔に押し当てる。 指でわざわざ開かなくてもすでに飲み込もうとしており、ラビはひとつ声をかけると、ぐっと腰を進めた。 「―――ッは・・・ァ・・・!」 クッと喉を逸らして神田が喘ぐ。 「あ・・・ッ、ァ・・・あ、ッ!」 一番太い部分が終わり、括れまでがするんと吸い込まれるように入った。 「ふぅ・・・」 一番入りにくいところを挿れ終え、ラビは一つ息をつく。 その間も神田はひくひくと内股を震わせており、今にも振ってしまいそうになる腰を必死に堪えている。 「・・・・・・」 神田のそんな様子を見て、すぐに挿れてしまおうと思っていたラビはふと考え直す。 思えば、いつも神田の体調を気遣ってすぐに挿入してしまっていたが、挿れている間の神田の様子をしっかり見たことがない。 (オレとしたことがとんでもないことさー・・・) 亀頭部分はきゅうきゅうと神田に締め付けられており余裕など幾分もないが、それでも好奇心がむくむくとわいて来てしまう。 「・・・ラビ・・・?」 動かなくなったことにふと見上げると、気持ち悪いくらいに笑っているラビの顔がある。 なんだ、と思う前に、ずるりとラビが再び腰を進めてきた。 「ふぅ・・・ン・・・ッ」 突然動かれた為、声を殺しきれずに甘い吐息が漏れ出て、普通に喘ぐよりも恥ずかしい。 ん、ん、となんとかそれ以降は声を殺すが、ラビの様子がいつもと違うことにすぐに気付いた。 「・・・ッ、ビ・・・?」 じわじわと、少しずつしか挿入してこず、どうしたのだともう一度ラビを見上げるとやはりあの笑顔がある。 「・・・いつもすぐに挿れちゃってたからさ・・・少しずつ挿れてく時はどういう反応してくれるのかなって」 「ッ」 「ね、どっちがいい?」 知るか!と神田は怒鳴って顔をそむける。 頭上からくすりと笑う声が聞こえ、また少しだけオクへと入ってきた。 「―――、・・・ッ、」 少しずつ広げられていく。 普段は目から火花が飛び散るくらいの衝撃が襲ってくるのだが、こうやって挿れられるとじわじわともどかしいような感覚にとらわれる。 (・・・ら、びのが・・・ッ) そして何よりも、ラビの性器の形がよくわかるのだ。 ラビの形に広がるように内部は絡みつき、進むごとに変化させていく。 まるですべてを覚えこむような自分のその動きが信じられなくて、呼吸がだんだんと上がっていってしまう。 「は・・・は、・・・ン――――・・・は、・・・ッ」 途切れてしまいそうな儚い吐息。 こくりと飲みきれない唾液を飲み込むと、そのままとまってしまうような気がして、再びその口が開くと思わず安堵してしまう。 これ以上はかわいそうかと思い、あと少し残っている部分をいつものように一気に押し込めた。 「ァあ――――!!」 にゅち、と音を立てて、ラビの性器が根元まで納まった。 陰毛が陰嚢にあたり、またラビの陰嚢も尻を触ってくる。 こそばゆさに背を浮かせてしまい、いつもと違う挿入の終わり方にまた違和感を感じた。 「――――――ッ、ッ、・・・ッ」 ゆっくり挿入されるとまるで終わりのないような緩い快感にとらわれたままのような感覚から、腰のオクまで響くような、内臓を押し上げるような衝撃が襲ってきて呼吸を忘れてしまう。 はくはくと呼吸を忘れたように神田は口を震わせ、身体を駆け巡る電流のような痺れがようやく治まると、短く息をついた。 再びの儚い吐息を聞くと、ラビも安心したように息を吐き出した。 セックスの最中の神田はまるで呼吸を忘れてしまったようで、時折思い出したように息を吸い込む。 死んでしまいそうなその様子に最初はラビも戸惑い、そのごとに行為を中断させてしまった。 今はそれでもその様子に慣れては来たが、まるで命をかけても自分と繋がってくれようとすることが嬉しくて、ラビは必死に呼吸を繰り返す唇の端にキスを落とす。 「・・・変態って言われちゃうかもだけど、そうしてるユウの姿ってすげぇドキドキする」 思いきって告げてみると、やはり神田は眉をしかめて、バカ野郎。と言ってきた。 壮絶な色気をかもちだしてそう言われてもまったく怖くはなく、流れてしまった涙を拭うように舌先で舐めとる。 「・・・じゃ、も、動くさね・・・」 さすがに限界さ・・・。 うっとりとしたようにそう言うと、いきなりラビは腰を引いた。 「・・・ぁあっ」 腹の中のものを持っていかれそうな感覚に、思わず力をこめてしまう。 括れまで抜けたそれをいかないでと引き止めているようで恥ずかしいが、実際出て行って欲しくないのだから仕方がない。 そのまま、突き上げられる。 今度は重く腰に響くような衝撃に、また神田は声を漏らした。 「ユウ・・・ん、ゆう・・・ッ」 「、ら・・・ひぃ、あ、っ、・・・ッ」 慣らしきれていなかった後腔は最初は痛みももたらしたものの、すぐにそれは快感に変わり、ずちゅ、ぐちゃ、と耳に届く淫猥な音が嫌なのに、ずっと聞いていたい。 ラビにとっては最高のオーケストラに負けないくらい耳に心地いい水音だが、それよりも強く喘ぎ混じりの荒い呼吸が耳に入ってくる。 突き上げきると溜めていた息を吐き出し、抜き出すと再び呼吸をつめてと動くたびに神田が呼吸するので、まるで自分が生かしているかのような錯覚に陥る。 「っ、オレが、動かなくなった、ら・・・ユウは・・・死んじまう・・・なッ」 「あッ、・・・ぁあ、・・・・・・?・・・ッひ、」 ラビが言っていることが理解できないのか、戸惑ったような視線を向けてくる。 また、呼吸を繰り返す。 どうしようもない高揚感が包み込み、それは胎内をかき回している怒張を大きくした。 「ん、・・・ンでまた・・・でかく・・・ッあ!」 ごめん。とラビはかたちばかりの謝罪をして、あとはもう神田のことしか考えずに高みを目指していく。 いつのまにかシーツに置かれていた神田の手はラビの背中に回り、そっとラビが上半身を落として神田の胸にあわせると、ドコドコと言う早く荒い心音が響いた。 「、まえの・・・とまっちまいそう・・・ッ」 それはどうやらラビも一緒らしく、合わさった胸から聞こえる心音に、神田はぽつりとそう呟いた。 「ユウとこうして死ね、んなら・・・オレ、最高かも・・・ッ」 本気で言ったのに、バカ。と神田は一言で片付けてしまう。 「ぁ、・・・ビ・・・、も・・・!」 「も、ちょっと・・・もちょっと我慢な・・・ッ」 今にもはじけそうな神田の性器を塞き止めながら、ラビは一緒にイく為に腰を動かす。 二つの荒い呼吸と心音が交じり合う。 「ユウ・・・ユウ・・・!」 「は、・・・ッ、ン――――」 一度だけ天に向かって神田の性器を擦り上げると、神田はギュッと目を閉じて碌に声も上げれずに二回目の射精をした。 きゅう、と内部が絞まり、ラビも小さく呻きながら神田の中へと精液を注ぎ込む。 ァ、と小さく声を上げながら、先程の唾液とは違う、流し込まれるものの感覚に恍惚とした表情になる。 染み渡るように心もじんわりと暖かくなり、思わず恥も照れも忘れて『キモチイ・・・』ともらしてしまう。 「ユウ、マジさいこー・・・」 まだ荒くもあるが、先程のように儚くはない呼吸を繰り返す唇に今度こそラビはキスを贈る。 ちゅ、ちゅ、と断続的に繰り返し、そのたびに銀糸を作っては離していく。 「ン、・・・ラビ・・・ら、ビ・・・」 必死にキスに答えてくれる神田の蕩けた表情を見てしまうと、それだけでまた性器が大きくなる。 「・・・ま、た・・・ッ」 まだ神田の内部にいれてあるので、変化にすぐに気付いて神田は眉を寄せる。 「ユウが可愛いのがいけないんさ〜。それに、一回で終わらないのはユウも承知してたさ?」 「っざけんな・・・せめて一回抜きやがれ・・・!」 ラビの拘束から抜け出そうとするが、久々のセックスで身体はふにゃふにゃでうまく動いてはくれない。 しかも少しだけずり上がったと思ったらナカに入っているラビの性器も少し抜け、思わず声が漏れる。 慌てて口を噤むが、出てしまった声が元に戻る訳がなく、恐る恐るラビを見上げるとニヤニヤといやらしい笑顔で笑っている。 「ユウだって、足りないんじゃんー」 「ちっが・・・ァ、あッ!」 否定しようとするが、拒むようにしてラビがまた腰を引いた。 キッと睨み上げるが、発情してしまったラビをいくら非難したってとめられないのはよく知っており、何より・・・ラビの言葉を肯定するようで悔しくて仕方ないが、足りないのも事実だ。 くそ、と小さく呟いてまたラビの背中に腕を回すと、嬉しそうにラビが二の腕に頬を擦り付けてくる。 「ユウ、大好き。・・・愛してるさ」 またオレが、生かしてあげる。 よくわからないことを呟き、ラビが本格的に動き出した。 ラビの言葉を理解できないまま、神田の意識もまたそちらへと持っていかれる。 ―――熱い吐息がもれる。 必死に紡ぐ、紡がれていく。 その唇から出る儚い吐息に、また心を奪われる。 お題:【儚い吐息】 コメント このお題を見た時に思いついたのが、風邪とかそう言うのではなく何故かこの小説でした・・・(苦笑) お題にちゃんと添えているのか不安ではありますが、とても楽しく書かせていただきました! |