心の瞳

この気持ちは何だろう。

この気持ちは何だろう。

想うたびに胸が締め付けられる、この気持ちは一体何だろう。

ファラオマンにデリートされてしまったロックマン。
そして、ロックマンを復活されるために、熱斗たちは化学省に乗り込んだ。
それを知った炎山もまた、化学省のネットの中へと入っていく。
プラグインした時特有の光と音が収まり、ブルースは瞳を開ける。
荒廃した大地がただ広がり、本当にここが化学省なのかと思ってしまう。
・・・実際、何も知らずに初めてここに訪れたものが居たのなら、間違った場所に来てしまったとおもうだろう。
『すまないな、ブルース』
PET越しに、炎山のすまなさそうな声が響く。
「いえ、私もロックマンにはカリがありますから」
そう答え、自分のオペレーターは随分性格が丸くなったと思う。
前ならば、危険な任務は当然の事と命令を下してきた。
ブルースもそれが当然だったし、絶対だった。
それを流したのが、ネットとそのナビ。
・・・ロックマン・・・。
その5文字を呟くたび、思うたび、胸が熱くなる。
こんな気持ちは知らない。
少なくとも、今までの自分のデータには記憶していない。
・・・なのに、悪い気は全然しないのだ。
訳のわからない感覚に胸を熱くさせながら、ブルースは地中へと入っていった。

今にも溶岩に落ちそうなロックマンを発見し、慌てて抱きかかえてそこを脱出する。
地上に出て、横抱きにしていたロックマンを、そっと地面に横たえた。
・・・閉じられている瞳・・・。
そして、いつもよりも低い体温・・・。
「・・・・・・ロックマン・・・」
それでも、デリートされてしまったボディは、ここにもある。・・・こころも・・・。
安堵したのか名残惜しいのか。
それはブルース自身にもわからない。
だが、手は自分でも不思議なくらい自然にロックマンに触れた。
・・・・・・眼は、覚めない・・・。
「・・・早く、眼を覚ませ・・・」
そうして、低く状態を屈ませた。
口に触れたのは、プログラムとは思えないくらいに柔らかく、暖かいロックマンの唇・・・。
触れるだけでそれを離し、今度こそ立ち上がった。
ファラオマンをデリートするために。
立ちながら、じっとロックマンを見つめる。
ジワリと染み出るように、あの、何とも言えない感覚が蘇る。
ロックマンの事を考えた時だけ、ロックマンに会った時だけ現れる感覚。

・・・この気持ちは何だろう・・・。

「―――――俺は、お前を―――――――」
その先をどう言葉にしていいのかわからず、ブルースはそこを立ち去った。

ブルースが完全に立ち上がった後、ふっとロックマンの眼が覚めた。
そして、ムクっと起き上がる。
「・・・肝心なトコ、鈍いんだからなぁ・・・ブルースって・・・」
実は、ブルースが地上に連れてきたところで、眼が覚めていたのだ。
だけど、ブルースの反応がみたくって、まだ眼が覚めていないふりをしていたのだ。
「・・・『俺は』『お前を』・・・一体何なのさ・・・」
はっきりしないブルースの態度に、ロックマンは頬を膨らませる。
「・・・・・・」
ブチブチ言っていた口を閉じ、そっと唇に触れる。
普段は自分よりも体温は低いが、眠っていた自分は、ブルースよりも体温が低かったので、暖かく感じた。
・・・どきりとした・・・。
それから、まるで血潮が騒ぐかのように胸が高鳴る。
「・・・ま、いっか」
立ち上がり、久々に手足を動かす。
そうそうこうのんびりはしていられない。
いくら究極プログラムを持つブルースでも、向こうも同じ究極プログラムを持っているのでは、さすがに苦戦するだろう。
熱斗たちも、きっと心配してくれている。
眠いっている自分の中に、確かに彼らの声は響いてきたから。
「気付いてよ?ブルース」
それだけ呟いて、ロックマンは駆け始める。

この気持ちは何だろう?

ねぇ、気付いている?

感じた事も無い、この熱さは何なんだろう。

その気持ちが何ていうか、わかってる?

今は未だ知らぬ、未知の感情。



☆END☆


コメント

初☆ブルロク小説〜☆
ブルースがロックマンを横抱きした時から、も〜書きたくて書きたくてしょうがなかったものです(笑)
それでも、なかなか文体まとまらなくって遅くなっちゃいました(苦笑)
これからは炎熱も篭めて書いていきたいな♪
ちなみに『心の瞳』という曲を元に書きましたv
さすがに歌詞があやふやで、いろいろと混ざったものになってしまいましたが(苦笑)