キミと一緒に〜ある一日の図〜

「とも〜!おかえり〜v」
バタンっとドアを開けると、すぐにてててっと弟の勇がこちらにかけてくる。
「勇。只今」
ココは石田家。
最初の会話はヤマトと太一の愛息子の長男・友と次男・勇の会話だ。
勇はお気に入りのコロモン人形(太一お手製)を両手に抱え、玄関まで友を迎えた。
友は鍵をかけて、部屋にあがる。
勇は隣に並んで一緒にリビングへと行く。
「勇。父さんと母さんは?」
友は自分の部屋にカバンを置くと、リビングにいる勇に両親の居場所を聞く。
「パパはおしごと。ママはいまサッカーおしえにいってるー」
「そっか・・・今日は水曜日か・・・」
ママこと太一は、主婦(主夫)をしながら子供たちにサッカーを教えている。
なので、週の何日かは兄弟二人ですごす事になるのだ。
「勇、おやつくったか?」
時計をみると、4時を回ろうとするところだった。
「んん。ママ、きょういそいでたから・・・」
おなかへっちゃった・・・。
と勇は照れたように笑った。
なんにもしなくても可愛いのに、そんなしぐさをするので、友の保護欲が刺激されてしまう。
「じ、じゃあ、俺がなんか作ってやるよ」
「ほんとーっ!?」
よほど嬉しいのか、勇はコロモン人形を投げて、嬉しさを表現している。
「じゃーね〜じゃーね〜!オレ、ホットケーキがいい!」
「ホットケーキか・・・」
確か買い置きした粉があったはずなので、友はごそごそと台所をあさり始めた。
「あった?とも、あった??」
隣に勇が来て、一緒にあさり始めた。
そして(勇は半分遊んでいたが)奥のほうにホットケーキミックスを見つけ、さっそく調理に取りかかる。
カップに粉を入れて卵と牛乳を混ぜてもとを作り、ちょっとほっといて生地をなじませる。
その間にフライパンを温めて、油を引いた。
「そろそろかな・・・」
熱し具合を確かめ、生地をフライパンへと流していく。
「ともー!オレ、いぬのカタチがいいー♪」
「はいはい」
さらっと流して聞いてるようにも見えるが、友はちゃんと勇の希望に答えている。
手の器用さは父親譲り。
形を整えて、焼けるのをまつ。
「そろそろかな・・・」
生地から泡がポコポコたってくるのを確認すると、フライ返しで生地をひっくり返す。
こんがりと焼けてることを確認すると、皿を出しに戸棚へと行く。
そのとき、友は大切なことを忘れていた。
勇を火の傍から離すことだ。
勇は友がいなくなると、いいにおいの漂うフライパンの中を覗き込もうとする。
しかし、身長がどうしても届かない。
近くにあった丸椅子を取って来て、そこに乗る。
椅子の上は安定しなくグラグラと勇の身体が揺らぐ。
「う〜っ」
しかもコロモンを持っているので両手が使えない。
揺らぐ角度が大きくなってきた。
ガタンッ!
「わっ」
椅子が倒れて、勇の身体が前面へと押し出される。
その下は・・・熱い熱い、火。
「・・・・・・っ!!」
痛みを熱さを耐えるべく、ギュっと眼を閉じて衝撃を待つ。
しかし、いくら待っても待っても身体に激痛が走らない。
「・・・む・・・?」
そろりと眼を開いて見ると、自分の身体が抱えられていることに気付く。
くるりと後ろを向くと、息を荒くついている友がいた。
「ともー!」
と、顔を見ると、いつもはそう簡単に崩さない表情を焦りと怒りをあらわにしていた。
「っのばかっ!!火には近付くなっていつも言ってるだろう!?」
いきなりの大声に勇はビクリと身体を強張らせた。
「だ、だって・・・」
「だってじゃない!お前わかってんのか!?あのまま突っ込んだら火傷だけじゃすまないんだぞ!?」
「・・・っく・・・」
大声で怒鳴られ、勇の大きな眼からポロリと大粒の涙が零れ落ちた。
「ごめんなさぁ・・・い〜・・・・・・ごめんなさい〜〜っ」
うわ〜んっ!と勇は抱えられたまま大泣きしだした。
友はふう・・・と息をつくと、勇を正面に抱えなおし、背中を叩いてなだめる。
「もうしないな?」
「しないぃ〜」
「約束だぞ?」
友が念入りに聞くと、勇がコクコクと頷いた。
降ろして、顔を見てみると涙やら鼻水からよだれからで顔がぐしょぐしょだった。
「・・・・・・」
友は自分の服を見るのが恐くなって、やめた。
ズボンからハンカチを取り出して顔をきれいにしてやる。
「じゃ、気をつけろよ」
約束だぞ!と、友が念入りに言って指切りをした。
それから、コゲコゲになったホットケーキを捨ててもう一度作りなおして、遅めのおやつを仲良く食べた。

今日も、石田家は波乱万丈ながらも、平和です♪



☆END☆


コメント

パラ小説です〜・・・。
嗚呼!引かないで!!(笑)パラ小説一本目となります♪
これからも更新できると・・・いいな☆(しろ)