キミと一緒に〜例えばこんな一日〜

そよそよそよ・・・風が頬を撫でる。
友はそっと横を見る。
そこには、可愛い可愛い自分の弟の、これまた可愛い寝顔。
自分はソファーによりかかり、その隣にはクッションを枕代わりにしてる勇。
チリリリーン・・・と、風に吹かれて、窓辺の風鈴が涼しげに鳴る。
友は一人静かに微笑み、また本に目を落とす。
父親と母親は久し振りに二人でデート。
自分は勇とお留守番。
最初は勇はゴネタが、食べ物ナドナドでつり、なんとか機嫌を直した。
今はお昼を食べた後のお昼寝。
一番眠くなる時間。
勇は眠気に負けてぐっすり睡眠中。
友は読書感想文用の本を読みながら勇の寝顔を鑑賞中。
たまにはいいよな・・・。
そんな風に思いながらまた勇の寝顔を見る。
勇を好きなのは父親の遺伝子。
素直になれないのは母親の遺伝子。
でも、そんな二人に育てられてきて、なんら不満はない。
むしろ、自分は恵まれている。
世間は虐待だなんだ言ってるが、自分の家はこんなに平和。
優しい母親にかっこいい父親。
それに、かわいいかわいい弟。
こんな幸せの家庭に囲まれて、なにが不満だろう。
風鈴が、風に吹かれてまた、涼しげに鳴る。
「うみ・・・」
かすかな寝言と共に、勇が友に擦り寄ってきた。
よくみれば、汗を掻いている。
いくら風が吹いて気持ち良くても今は夏。
しかも子供なので余計体温が高いので、寝ているとツライのだろう。
友は本を置き、近くにあるウチワに手を伸ばした。
自分ではなく、勇に向かって仰いでやる。
途端、勇の寝顔がさらに微笑ましくなってきた。
どんな夢を見ているのだろう、顔が少し笑っている。
友に向かって手を伸ばしてきたと思ったら、服の端をぎゅっと握ってきた。
「とも・・・」
無意識の行動だろう。
でも、嬉しい。
友はあいている方の手で勇の髪を優しく梳いてやる。
セミの声。
風鈴の音。
静かな部屋。 君の寝顔。
幸せな一時。
暑い日、ある日の石田家の事情。



☆END☆


コメント

散文系・・・。
友と勇を書くのは楽しいvいつか絵でも見ていただきたいです・・・v(笑)