キミノコエ。

『独り』
カラテンモンに言われた言葉が頭の中で反芻される。
「わかっている・・・っ!」
苦し気に吐き出される自分の・・・ヴォルフモンの声が、まるで第三者視点で聞いているのようにみえる。
友達はほしいなんて思わなかった。
向こうからにしても、こちらからにしても・・・いつか去っていってしまうのは、もう知っているから。
それは確かにツライし、ツライならば味わいたくは無い。
・・・だって、家族さえも自分から離れていってしまったんだから。
輝二はギリ・・・と音がするくらいに歯を噛み締める。
・・・・・・友達なんて・・・・・・。

こうじ!

声が聞こえたような気がして、輝二はハッとする。
・・・拓也の事を想っただけで、嘘のように心の刺が丸みを帯びていく気がする。
「・・・たくや・・・」
声にすると、冷静な思考が戻ってきた。
そうだった。
今の自分はもう、独りじゃ無い。
友達も、好きな人も。
要らないと思った自分に、必要ないと拒んだ自分に、静かに手を延べてくれた。

輝二っ

呼ばれる度に鼓動が跳ね上がる。
それほどに、自分の3文字の言葉が綺麗に響いたことは無かった気がする。
例えば、笑顔とか。
自分に向けて微笑んでもらうたび、こちらも笑顔になれる。
手を繋いで、抱きしめたくなる。
そうして、自分勝手に拓也を振り回しているのに、自分を見捨てない。見離さない。
嬉しい、と思う。
拓也が居るから、今自分は泉や友樹、純平と一緒に旅が出来ると思う。
眼を閉じれば、拓也が微笑んで、自分に手を差し伸べてくれる。
・・・深呼吸をして・・・。
「ヴォルフモン・スライドエヴォリューション!ガルムモンっ!!」
ガルムモンに変身し、もう一度カラテンモンに攻撃を仕掛ける。
いくらこちらの思考が読めたって、それに身体が反応できなければ意味が無い。
ガルムモンのスピードは、ヴォルフモンとは比べ物にはならない。
カラテンモンがようやくソレに気付いた時には、もう遅い。
「ソーラーレーザーっ!!」
ガルムモンの攻撃は、真正面からカラテンモンを撃ち射た。
「悪に染まりし魂を、聖なる光で浄化する!
デジコード・スキャン!!」
スキャンし終えると、途端に周りの景色が闇に溶ける。
そこに、目玉を模した扉が現れた。
・・・拓也・・・。
胸にある言葉。
それだけが、今の自分を支えるもののように思える。
たった前に離れたばかりなのに、無性に逢いたい。
「拓也・・・!」
急かされる様にその中に飛び込む。
拓也に。
拓也に。
逢えるように祈りながら。



☆END☆


コメント

輝二独白〜。
こういう形ってあんま書いた事無いですよね〜。
25話見て、輝二が独り〜独り〜と言ってるの見てウズウズしちゃいました(苦笑)
輝二には拓也がいるんだよ〜。みんなもいるんだよ〜〜〜。と思って書きましたのですよ。
・・・拓也がピンチになったらぜひ輝二に助けに行って欲しいなぁ(笑)