flying 10

すっかり遅くなってしまった・・・。
というのも、先生に頼まれ事をされてしまい、押しの弱いヤマトは断れなくて結局手伝っていたのだ。
ヤマトは急いで空をのぼる。
と、風が上空へと大きくのぼっていく。
「!?」
ヤマトはなんとか体勢を保つ。
「今の風・・・どこかで・・・」
同じ様な風をヤマトは感じたことがある。
あの時は確か・・・。
「!?まさかっ!!」
ヤマトはばっと上を見る。
太陽の影になってよく見えないが・・・なにかが落ちてくる。
そして、だんだんとその輪郭がはっきりしてくる。
そして、高速でヤマトの隣を落下していく。太一だ。
「っのバカ!!」
ヤマトは方向転換して太一を追う。
太一は変な風に翼に風を受け、落ちているのでなんとかヤマトは追いついて太一の手を引いた。
問題はここから。
これだけの下降重力を受けていて、いきなり翼をひろげたら、勢いに耐えかねて翼が折れてしまうのは明白。
しかし、もう時間はない。
堕天使は天使のように防御術を使えないので自分に結界を張る事などできるはずがない。
「―――っ!ああ、もう!!!」
ヤマトは太一を脇に抱えて、片手で円陣を組む。
「汝、華麗なる赤を身にまとうもの。
塊し汝の力、我に貸したまえ・・・。
すべてを吹き飛ばす汝の力を我に!
六亡星の一角を司るもの、汝の名・『EFREET』 ―イフリート― よ!
イラプション!!」
ヤマトの手の平から炎が飛び出し、地面へとぶつかる。
と、同時に爆音が鳴り響いた。
ヤマトは太一を庇いつつ爆風を受け、下降速度を緩める。
とはいえ攻撃魔法は攻撃魔法。
爆風にだってその影響もでている。
至近距離であたれば致命傷さえまぬがれない。
「―――っく!!」
ヤマトは地面すれすれのところで翼を広げ、足をふんばる。
何メートルか行ったところでなんとかとまる。
「っはぁっはぁっ・・・!!」
ヤマトは荒い息をついて腰をおろす。もちろん太一に気を使いながら。
「おい・・・太一・・・太一・・・っ」
ヤマトは軽く太一の頬を撫でるが、一向に目覚めない。
「まったく・・・」
とりあえず呼吸、脈などに異常は見られないみたいなので一安心。
「・・・また・・・」
風が穏やかで、唄っているようだ。
気配を見ると、なんだか太一を中心にして風が動いている。
「へぇ・・・」
精霊にもそれぞれ気質があって、風はきまぐれな性格だ。
だが、風の精霊たちは飽きず太一の傍にいる。
「太一の心だろうな」
精霊は清らかなところに住む。
太一の傍にいるということは、太一の心が澄み、居心地がいいと言う事だろう。
「・・・さて、これからどうするかな・・・」
まさか目覚めるまでここにいるわけには行かない。
かといって家は否神殿。連れて行けるわけがない。
「〜〜〜〜〜〜あぁ!もう!どうしろってんだよ!!」
「なにがだい?」
「!?」
いきなり後ろから聞こえてきた第三者の声にヤマトは心臓がヒヤリとしつつ振り返った。
「・・・丈・・・」
「やあ」
そこには、自分の数少ない親友の丈が立っていた。
「へぇ、天使・・・始めて見たな〜」
丈は太一・・・天使を見てもいつも通りの穏やかな笑みを見せていた。
「じ、丈!これには深いわけが・・・っ!」
「それより」
弁解をしようとするヤマトを遮り、丈は太一を指差す。
「なんとかしないとね」
「・・・」
「とりあえず、家来る?」
「・・・あ、ああ・・・・・・」
ヤマトは動じない丈に呆けつつ、太一を抱えてたちあがった。
とりあえず、通じぬであろう弁解を考えながら。



☆NEXT☆


コメント

み、短い・・・(汗)
やっと登場魔術!!これからもバンバン使っていきたい・・・☆
ところで・・・もう10話なんですねー!!不思議な感じー!!(笑)