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雨宿りの過ごし方。 濡れるだけなら嫌な雨。 独りだけだと、寂しい雨の日。 だけど、キミが居たら・・・ほらね? デジタルワールドにだって雨は降る。 ただ、日本に比べるとまとまって降るという事が少ないらしく、殆どが小雨なのだそうだ。 飲み水も湖も海も、デジコードで出来ているので、雨を飲み水にすると言う事はあまり無い。 だから、今日のように強く激しく雨が降るのは、本当に珍しい事なのだとボコモンが言っていた。 「・・・やまねぇな・・・」 大きな樹の下で雨宿りをし、拓也が呟いた。 葉を伝い、時々雫が落ちてくるが、それでも樹の外の状況よりか全然マシであろう。 まだ日は高いが、これから先は少し道が険しくなり、夜は危険と言うボコモンの言葉を信じ、拓也たちはこの森の出口付近で野宿する事にした。 焚き木を拾うために拓也と輝二は再び森に入ったのだが、途端にこの雨。 泉たちのいるところには、今日の寝床とする小さく浅い洞窟があるため、雨は凌いでいるだろう。 さほど距離は無いが、この大雨。 出て行ったら途端に濡れ鼠になってしまうだろう。 向こうに居た時は躊躇い無く出て行っただろうが、今は着替えと言うものが無い。 これから夜も来る。 そんな中裸でいたら風邪を引くのは目に見えてるし、そうなれば仲間の足を引っ張る事になる。 それに、せっかく集めた焚き木を濡らしてしまうのはもったいない。 拓也はいつも着ている赤い上着を脱ぎ、少しでも濡らさないために焚き木を包んでいる。 サァサァと、雨が降り、パタハタと草に当たって地面に染み込んでいく。 立っている事に疲れた拓也は、その場に尻を着かないように座り込む。 はぁ、と溜め息をつくと、不思議に雨の音の中でも響いて聞こえる。 「拓也、疲れたか?」 そっと後ろの方から輝二が話し掛ける。 拓也は苦笑を浮かべてそちらの方を見る。 「んー・・・って言うか暇だな〜。動けなくってさ」 「なるほどな」 そういい、輝二は小さく笑みを浮かべる。 拓也はいつも跳ね回っている。 黙っていたり、じっとしているのは性に合わないのだろう。 そのまま拓也はまた正面を向く。 しばらく静かな時間が流れていたが、突然拓也が盛大なクシャミをした。 ふと拓也の腕を見れば、鳥肌が立っている。 ただでさえ雨で気温が下がっているのに、そこに半袖でいたら、雨に濡れなくても風邪を引いてしまう。 輝二は迷わず上着を脱ぎ、拓也にそっとかけてやった。 すぐに拓也がこちらの方を向き、自分にかけられたものを見る。 「い、いいよ!」 拓也は立って、上着を脱ごうとするが、両手を焚き木で塞がれていて思うようにいかない。 輝二は、動いてずれてしまった上着をまたかけなおしてやる。 「いいから。そのままの恰好で居たら、拓也風邪引いちまう」 「それ言ったらお前だってそうだろ!」 確かに、拓也が輝二の上着を着てしまったら、今度寒いのは輝二だ。 「・・・俺はいいから」 「よくない!」 すかさず拓也が反論してくる。 ・・・本当にいいのに。 思っても、輝二はうまく言葉に乗せれない。 なので、どうしても行動が先に出てしまう。 ――――今回の場合は・・・。 「・・・・・・おい・・・」 拓也を抱きしめてみました。 「だからさ・・・なんでお前の行動はこう・・・突拍子もねぇんだよ」 しかし輝二はそんな事耳に入らないかのように拓也を更に強く抱きしめる。 「〜〜〜〜あー――・・・もう・・・」 諦めた拓也は、肩の力を抜き、輝二に体重を預ける。 元々樹の幹に背中を預けていた輝二にはさほど負担ではない。 「・・・これなら、俺もお前も寒くない」 「あー――・・・そ・・・」 さすがに慣れたのか、拓也もそれ以上は抵抗はしない。 ・・・別に不快では無いのだし。 むしろ最近はこうして傍に居てもらい、少し安心している。 「・・・輝二はオレの事、好きなんだよな・・・」 ポツリと出た、そんな言葉。 コクリと、驚いた様子も無く、輝二が頷く。 「うん・・・オレも・・・嫌いじゃないぜ?輝二の事」 「・・・え?」 「って言うか・・・安心する・・・こうして、傍に居てもらうと」 すり・・・と、拓也が少し顔を輝二の方に向け、頬をすりよせてくる。 さすがにこれには慌ててしまう。 何度か拓也の方から抱きしめてもらったりキスしてもらったりしてもらった事があったが、ここまで積極的にしてもらった事は無い。 だが、好きな人にこんな風にしてもらって、慣れるものも居ないと思うが。 「・・・輝二、あったかいな」 そのまま寝てしまうかもしれないくらいにトロンとした声。 拓也が黙ってしまうと、また雨の音が耳に響いた。 先程まで、むせかえるような森の匂いと雨の匂いがしていたのに、今息を吸うと、拓也の匂いがフワリと鼻をくすぐる。 「・・・拓也も、暖かい・・・」 二人は、雨がやむまでそのままじっと抱きしめあっていた。 ふと雨がやんでいる事に気付き、空を見上げると、雲の透き間から太陽の陽の光が差し込み、世界を照らしていた。 ・・・雨の日の、暖かなこのひととき・・・――――――。 コメント 外に出ない日の雨は好きです(笑) 友達によく引かれるんですが、私雷も大好きですよ! だってかっこいいじゃないですか〜!ピカッと光った後ゴロゴロゴロ〜!!って! 拓也も輝二も好き・・・っていうか全然平気そうですね〜。 意外性を狙って、友樹も泉も平気だけど純平はダメとか!・・・まぁ純平は前のアニメ放送で苦手って証明済みですけど(笑) |