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 艶猫あでねこ


ボワンと言うマヌケな音と共に発生した白い煙。
事態を把握する間にだんだんと視界は晴れていき、気付けばそこは自室とはまったく違う部屋だった。
「おお」
日本の和室に欧風の趣きを足した感じ。
趣味はいいが、倒錯的でもある。
「成功っぽい?」
正一が作った、十年バズーカの改良バージョンで、なんとパラレルワールドを行き来できるという代物だ。
「うーん…でも思ったとおりの世界にいけないのは…あんま意味無いかな」
きょろきょろとあたりを見回す。
ところでここはどの世界だ。
「おや」
すると、漆塗りの襖がスルリと開いた。
聞き覚えのある声。
捕らえたけれどいつも牙をむいてくる美しいヒト。の、違う姿。
「…骸くん?」
「ですが?…貴方はいつもに増して奇抜な格好ですねぇ」
「ひっど!」
さらりと棘を吐き、くふふといつもの笑いを浮かべて近付いてくる。
豪華な和装は真紅の生地に金糸や銀糸などの刺繍が踊り、動くたびに銀の簪がしゃらんと美しい音を奏でる。
(……?)
感じる違和感はなんだ。
見つける前に、骸が白蘭のすぐ傍に座る。
にこりと笑うその唇には紅がひかれており、鮮やかに映えた。
「…男…だよね?」
「……貴方、本当にどこか打ったんじゃないですか?」
細く長い指で白蘭の頭を探る。
近付いた顔に、不覚にもときめいてしまう。
(あ、)
違和感の正体に気付いた。
そうだ、この骸は自分を恐れない。
試しにすべらかな頬に手を添えてみる。
「…?」
ふわり笑い、手は掃われない。
(…おー…)
なんだか感動だ。
そしてもう一つ、気付いたものが。
「あ、猫耳」
頬から手を離し、同じ様に薄い耳を触る。
「…んっ」
猫耳はぴるんと白蘭の手を逃れるように動き、骸の口から悩ましい声が出た。
「…もう、いきなりなんですか?」
寄った眉に、頬は先程よりも赤い。
きょとんと目を丸くした白蘭は、髪と同色の着物から覗く長い尻尾にも気付いた。
パタパタ動いているところを見ると、本物。
「あ、そうか。ネコのいる世界」
ようやく自分の来たパラレルワールドの世界がわかった。
ネコと呼ばれる、ヒトにネコの耳と尻尾がついたものたちのいる世界。
なるほど、自分はまた個性的なところにきたものだ。
もう一度部屋を見渡す。
日本で雰囲気の似た店に接待で連れられたことがある。
(花魁ってやつ?)
もう一度猫耳に触れる。
「…ん…ちょっと、白蘭」
特段弱いのか、少し触っただけで骸は頬を薔薇色に染めた。
にやっと笑い、唇を舐める。
「今は僕がきみの時間を買ってるんだよね?」
「…そうですけど…」
「じゃあ、問題ないよね?」
バズーカの効力は限られている。ならば楽しまなければもったいない。
骸を抱え、隣の部屋を足で開ける。
そこはやはり寝室だった。
ふかふかの布団に骸を放りのしかかり、合わせ目に手を入れる。
「…白蘭、もう少しゆっくり…」
目を伏せるが、拒否も抵抗もされない。
爪と牙を立て全身で抗う姿を思い出すと、もしかしたら向こうの骸の方がネコっぽいかもしれない。
(今度猫の格好させてみよ)
新しいプレイを思いつきつつ、今はこちらの骸を楽しむことにする。
唇をくっつければ、紅のせいでいつもと違う感触がした。
それでもやはり骸は甘い。どこもかしこも。
「骸くん、いいにおい…」
「お香…でしょう」
帯を解きつつ首に舌を這わせ、耳朶を甘く食む。
いつもの清涼な香りに馴染む白檀の香り。
誘われるまま鎖骨にキスマークをつけ、更に下へと降りていく。
逃走しにくいように、またはセックスしやすいようにと向こうの骸には薄手の服しか着せていないので、慣れていないのもあり少々戸惑う。
けれど、鮮やかな色彩の服から覗く白い肌のコントラストは、見ているだけでゾクゾクとさせるものがある。
「ン…」
重い帯を引き抜くと、ぽいと畳の上に粗雑に抛る。
少し身体を離して骸の様子を見れば、まるで花の中に横たわっているよう。
「…白蘭…」
ぞくり。
湧き上がってくるのは征服欲か性欲か。
きっとどちらもだ。
片方だけ満たせればいいなんて殊勝なこと白蘭が思うはずも無い。
再び骸に近付く。
「さぁ、こちらの骸くんのお味はいかがかな?」


あ、あ、と抑えない骸の声と卑猥な水音が部屋を満たす。
「ん、あ…ァ、びゃくら…!」
「は…骸くん、めっちゃくちゃかわいい」
紅い頬や恥ずかしそうに伏せられた眼とは裏腹に、快感に従順な身体はよりいいところへ白蘭のを当てるように揺らめいている。
ぱたぱた揺れる猫耳に熱い息を吹き込み犬歯で食めば、より高い声が響く。
蕩けるような結合部。
「あー…きっもちいー…」
やはり骸は骸だ。むこうの骸もこちらの骸も絶品である。
「びゃ、びゃくら…尻尾が…いたい、です…っ」
「ん?」
欲望の赴くまま突いていると、荒い呼吸の中骸が言葉を搾り出した。
正常位で組み敷いているが、なるほど、身体と布団にはさまれて尻尾の付け根が痛そうだ。
「ンうっ?!あっ ア!」
それじゃあとばかりに繋がったまま骸の身体を反転させる。
突然ぐるんと胎内を抉った白蘭の性器に、骸は思うがまま喘がされ、軽くイってしまい、白濁をシーツに散した。
「まだがんばってねー」
「ま、って…まだ…ッ!」
下半身は白蘭にがっちり固定されているが、上半身のことを考えてくれない。
なんとか肘をついて身体を起こそうとするが、白蘭が待つはずもなく。
「あぁっ…んゃ…びゃく、びゃくら…ッ!」
「んっ…おー…しまるしまる」
蜂蜜色のローションをたっぷり垂らした結合部はぐちゅぬちゅと音を立て、着物の柄と同じくらい鮮やかな媚肉をみせる。
「ンッ は、…くぅ、ん…ぁあ、ン…」
蝋燭の灯が作る陰影がゆらめく骸の身体を更に妖艶にする。
うっとりとした表情に、閉じられない口から垂れる涎。余すことなく見て、舐め取っていく。
ふと身体に触れた柔らかいものを、にやりと笑いながらわし掴む。
「ひ、い?!」
ビクンと骸の身体が大きく跳ね、手の中の尻尾がぶわっと膨らんだ。
「やっぱ弱いんだ」
「何を…いつもするくせに…っ」
きっと反抗的な眼で見てくる。
妙に懐かしい気がした。
ふふと笑いながら、頬に擦れば、ツヤツヤな毛並みが気持ちいい。
「あっ…やめ、んんっ」
それだけでたまらないらしく、へにゃりとまた骸から力が抜ける。
「ネコは弱点が多くて大変だねー」
尻尾の先端に熱い息を吹き込めば、ぱたたと白濁がシーツを汚す。
「コレ、こっちの僕はここにいれちゃったりするのかな?」
濡らしてもいない尻尾を結合部に当てる。
毛並みはいいが、敏感なソコに当てればちくちくと刺激され、きゅうぅ…と収縮する。
すん、と鼻を鳴らし、枕を抱え込む。
「…いつも…するくせに…」
(あーやっぱり)
二輪挿しにしたら、さぞかし骸はいい反応を見せるだろう。
骸の表情や快感を想像し、尻尾を持つ手に力が篭る。
「…ん…ッ」
挿れられると思ったのか、身体が強張る。
「…ねぇ」
身体を重ねて、骸に囁く。
「骸くんはココに尻尾挿れられて、気持ちいい?」
言えというのか。
眉を寄せる。
「…っ…僕は買われる身です。どうこう言える立場じゃありません」
「そ?気持ちよくないならやめよっか?」
押さえつけていた尻尾を局部から離す。
「え、」
きょと、と、目を丸くし、白蘭を振り返る。
力が抜けた隙を狙い、骸の性器に尻尾を擦りつけた。
「そのかわり、別のところで試してみよっか♪」
「な!…ぁ、んっ!」
掌の中で尻尾を固定し腰を動かせば、揺さぶられるまま性器と尻尾は擦れ合う。
「い、や…だ」
「こんなにぐじゅぐじゅにしといて何言ってんの」
尻尾に白濁が絡み、じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てる。
水気が増し束になった毛は、よりいっそう骸の敏感な肌を刺激する。
「い、た…やめ、びゃくら…!」
「それがまた気持ちいいクセに。痛いって言う割にココ、全然萎えてないんだけど?」
く、と骸が言葉を詰まらせる。
否定できない。
紅く擦れる性器は確かにピリピリと痛いが、それ以上に普段と違う感覚を与えた。
柔らかい陰嚢の間を擦り、白蘭の力加減で尿道に入り込み、浅い部分を触ってくる。
(ア…きもちいい…)
細い毛がそこに出入りするのは、存外気持ちいい。
嫌だといいながらも骸は、少しでもソコに尻尾があたるようにと自分からも腰を揺らしだす。
「ふふ」
密かに笑う白蘭に骸は気付かない。
快感に尻尾がピクピクと手の中で跳ね、それにつられて性器が快感の証を垂らす。
「かわい…骸くん、すんごいかわいい」
「うるさ、い…です…っ」
止まらない。
白蘭に抱かれるたびに、こんなこと屈辱的なことをされて喘いでしまう自分が信じられない。
でも気持ちいいのはとめようが無くて。
「あっ、ンア、…ふぁ…、んっ」
「ん、骸くん…っ」
お互いに唾液を垂らしながら舌を絡ませる。
白蘭にも余裕がなくなってきて、がつがつと骸を味わう。
思考がスパークする。
「ア…あ、んあ…びゃくら…も…ア――――!!」
限界を示すのには遅く、骸の身体が綺麗にしなった。
「あっ、あ…あ…」
濃い精液がシーツに音を立てて散っていく。
その瞬間、ただ快感だけが骸を支配した。
「くぅ…っ」
「ン―――!!」
締め付けに耐え切れずに白蘭も骸のナカに吐き出せば、オクのオクまで届く刺激にまた骸が喘ぐ。
フリーズしたように二人で数秒固まったあと、は。と大きく息を吸って骸が布団に倒れこんだ。
「はぁ…すごいイイ…」
「ンン…」
ズルリと骸のナカから性器を抜き、備え付けてあるティッシュで乱雑に拭き取るとチャックを元通りに閉めた。
「…もういいんですか?」
荒い呼吸を繰り返しながらこちらに視線を寄越す骸に、白蘭はキスを返す。
「うん。どれくらい時間あるかわかんないし、丸出しで帰る訳にはいかないからね」
「…?」
何のことかさっぱりわからない骸は、首を傾げるばかり。
ぴるぴる動く猫耳が本当に可愛い。
にこりと笑い、顔を近づける。
唇を合わせれば、骸は目を閉じて享受した。
潤った唇はやはり気持ちいい。
こくんと鳴る喉がいやらしくて、また下半身が疼く。
(…ああ、でもやっぱり…)
ツ…と銀糸を垂らしてキスを解く。
(あの小憎たらしさもいいかも)
マゾか?と思いつつ、仕方ない。あの気高さも含めて好きになったのだから。
「また会いにくるよ」
「? お帰りですか?」
身体を起こす骸に、ちゅ、とリップ音を立ててキスをもう一度。
「うん。今度はこっちの僕とゆっくり楽しんで♪」
立ち上がる。
ばいばい、と言う前に、バフンという音と共に視界がまた白い煙に覆われた。
(またニャンコな骸くんも抱いてみたいけど)


空気音を立てて、結界を張ったドアが開く。
骸の為に造った部屋の真ん中、キングサイズのベッドの上に骸は寝転んでいる。
逃走防止の為に必要最低限のものしか置いていない為、することがないのだ。
「やっほー骸くん♪」
「………」
嫌がる顔を隠そうともしない。
こんなのはいつものことなので、もう慣れっこである。
乱れた服を直して、白蘭からできるだけ遠ざかろうとするので、暇も与えずその腕を引く。
「っ」
幻覚を封じられ、三叉槍も持たない骸に抗う術は少ない。
あっさりとその身体は白蘭に組み敷かれた。
「はな…せ!」
「ふふっ♪」
そっと骸の頬に触れようと手を寄せれば、手よりも先に歯がガチンとなった。
「おー怖い怖い」
「触るなっ」
近付く白蘭の肩を押し、拒絶の言葉を吐く。
しなやかな白蘭より尚華奢な骸がこの状況下で勝てる筈もなく、白蘭は骸の抵抗を楽しみながらその首筋をレロリと舐めた。
「……くッ」
顔を背ける骸。
白蘭が顎を引いて自分の方を強引に向けさせれば、宝石のような瞳に憎悪を灯らせて睨んでくる。
ゾクゾクする。
この、高貴なプライドを崩す瞬間は。
「マゾじゃなくてサドなのかな」
「…?」
眉を潜め、何を言ってるんだコイツはという視線に変わる。
「ふふ」
喉の奥で笑い、本格的に骸を襲い出す。
先程の骸とのセックスで性欲を解消された訳ではない。むしろ、刺激されてズボンの中で窮屈そうにしている。
「ぅ…」
結局白蘭に犯されるというのに、毎回毎回骸は抵抗を見せる。
たまらない。
その表情もまた快感に繋がる。
「今度」
「…?」
「服、用意してあげるから」
「…は、?」
繋がらない話に、骸は訳がわからない。
かまわず白蘭は堪えられずアハハと笑うと、遠慮も何もせず、骸を本格的に組み敷きにかかる。


ネコな骸。
猫のような骸。

どっちもいい。
どちらも捨てがたい。
否、どうあっても全て手に入れる。

根本は同じ骸なのだから。

全部全部、自分のモノ。

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リクエストはまむろくさんから頂きました!
猫と着物のコンボは最高ですよね!(う、うまく生かせなかった気もしますが…!(汗))
艶やかな骸を想像するともう興奮して私の頭がピンク色でした(笑)
気に入っていただけたら嬉しいですv
リクエストありがとうございました!