チョコの味はすっかり消えた。
「んっ…ふ、」
赤い頬。時折うっすら開く瞳には水の膜がきらめく。
欲情ではない。発情した顔をしている。
「びゃく、」
(そうやっていつも僕を引き寄せるんだ)
一度骸から唇を離し、テーブルの上のチョコを乱雑に横に避ける。
空いたスペースに骸を横たえた。
「ちょっと、ここじゃ…んむ、」
骸の言葉を遮り、再び唇を貪る。
ボタンを外すことさえ煩わしくてシャツを引き千切る。
性急に身体をまさぐりながら、ズボンの中に手を突っ込んだ。
「ひ、あっ」
びくんと身体が跳ね、逃げ出そうと仰向けの身体を起こそうとするので肩を掴んで再び横たえた。
「ほら、じっとしてて」
「あっ、ちょ、あぁ…もっと、ゆっくり…」
下着の中、直に性器を触られる。
幹を擦られ先端をぐりぐりと弄られると、腰がバカみたいに揺らいだ。
骸の言葉を無視して…というよりは、手が止まらない。
ツンと硬くなった乳首を刺激して、横を向いてしまった骸のおとがいを舐める。
「ん、ダメ…です、そん、な…、あ、ゃだ…っああ!!」
ばたばたと暴れていた足に力がこもり、筋肉が強張る。
精液がびしゃびしゃと手にかかる。
「随分早いね…骸くんだって我慢できないんでしょ?」
自然呼吸が速くなった。
精液のぬめりを借りて、後腔に指を挿入する。
「ぁ――――」
身体に力が入らない骸は、胎内に侵入してきた異物に身体を震わせてた。
中指をオクまでツッコむ。
暖かく、柔らかい。
「お酒のおかげかな」
「ひぃ、い!あ、ばか、そこ…あっ、あ、ああ」
こりこりと前立腺に爪を立てる。
大きく喘ぎ、助けを求めるように近くにあったチョコを掴む。
骸を気遣う余裕が全く無い白蘭は、そのまま指を増やしていく。
前立腺への刺激が強すぎて、指が入ってきたことはわかっても痛がってる余裕もいちいち異物感を覚えている暇もない。
「ン…ふ、はぁ…は、ぁん」
「…も、いいかな…」
「―――っ…あ…」
ずるりと指を抜き、濡れた手で骸のズボンを引き抜き、自らのチャックも下ろす。
下着から零れ落ちた性器を申し訳程度に濡らし、先端を後腔に押し当てる。
「…くよ…」
「――――っっっあ゛!!」
目を見開く。
手の中のチョコがつぶれ、指の間から押し出てきた。
「狭い…な」
「あっ、無理、だめ…そんな、ぁ、やだ」
切れるほどの狭さではない。
それはいつも骸押し倒して無茶をさせている白蘭がよく知っている。
骸から零れる弱音はいつもより多くて、まだアルコールが残ってることを知った。
ぞくぞくする。
「ふふ、逆効果だよ。もっと苛めたくなっちゃう」
下腹に力をこめて根元まで押し込めば、また骸が大きく啼いた。
頭の芯がビリビリする。
内壁がきゅうきゅうと締め付けてきて、留まっていられない。
「う、あっ!」
骸の足を抱え上げ、膝小僧にキスをする。
ぐ、ぐ、と自ら動きながらも骸の腰を引き寄せる。
「…っ、あ、…びゃくら、あ、んぁあ!…ひ、…あ…くぅ…んっ」
「…?」
骸の手の動きに不審が見られる。
握っては開きを繰り返し、必死に何かを堪えているように思えた。
時々オッドアイが垣間見え、その視線が下に走る。
つられて見て、ああ。と納得した。
「嫌だとかゆっくりしてとか言う割に…骸くんのここも随分復活早いんじゃない?」
骸の性器は、すでに天を向いていた。
「…っ!」
か、と骸の目が見開かれ、喘ぎすら一瞬喉の奥に消えた。
「あっ」
もちろん、それで攻めを弱める白蘭ではないが。
白蘭が動くたびに、放っておかれている性器が揺れる。
「真っ赤だねぇ。つらいんじゃない、このままじゃ」
「…っ」
「でも僕も今こっちに夢中なんだよね。自分のなんだから自分でなんとかしてね♪」
きぃ、と濡れた眼で睨む。
怖い筈も無い。
「ほらほら、つらいんでしょ?」
腰を動かすのを中断し、骸のチョコまみれの手を性器に絡ませる。
「…っく…」
戸惑っていた骸も、傾いだ(かしいだ)理性で目の前の性欲には勝てなかった。
紅い性器がみるみる間にチョコレートにまみれる。
「やっらしー♪」
「あっ…あ、ぁあ…」
性器への刺激は後腔へと繋がり白蘭も眉をしかめた。
「さいこう…っ」
「あ!」
再び挿抽しだす。
とろりと骸は快感におぼれ、声を抑えることも手を動かすのを止めもしない。
「んんっ…は、ふ…ン…く」
「骸くんっ」
「ん、くるし…」
上半身を屈め、キスを贈る。
ただでさえ乱れている呼吸を遮られ、苦しくてならない。
首を降って逃れようとしても、すぐに追いつかれてしまう。
手は性器から離れられない。
「すき、骸くん、だいすき」
「ひ、ンぁ…あっ…ぅあ」
応える余裕もない。
「ぁ…でる、で…る…っ…ああぁあ!!」
白蘭のシャツを濡らし、骸の肌も白く濡らす。
骸にあわせて腰を掴み、オクのオクまで届くようにと勢いよくぶつける。
「ぅ、」
「あ、あつ、熱い…っ」
内壁を穿つ熱い濁流を感じる。
二人とも目を閉じて快感が引いていくのを待つ。
「はー…」
長く息を吐き出し、まだとろとろと蕩けた思考で白蘭が身体を起こす。
骸はまだぐったりと息を整えている。
「ん?」
指がまだ性器に絡んでいるのを見つけ、手首を掴む。
チョコと、精液の白で汚れている。
ちゅ、と舌で舐めとっていく。
「ふ、」
「んん、おいしいね」
くすぐったさに骸が揺れる。
「んんっ?!」
と、口の中の指が深く差し込まれた。
「味わうといいですよ、愚か者」
意思を持って骸が指を動かす。
にやりと笑い、白蘭は骸の手首を掴んだ。

至高のチョコレートだった。