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flying 25 とりあえず太一たちは、ヤマトたちの翼を隠して太一の家へと向かう。 「とりあえず・・・まずは『タケルくん』を探さないとね」 タケルとはぐれてからすっかり意気消沈してしまったヤマトの傍にはいつも太一がいる。 ヤマトの手をぎゅっと握り、『大丈夫』とときどき呟く。 その言葉に、ヤマトは何度も救われた。 ミミは、光子郎から離れない。 前に会った事もあり、安心感を得ているのだろう。 『自分のせいでタケルとはぐれてしまった』 その事がミミにとてつもない不安感を抱かせているのだ。 太一家の台所を借り、空がハーブティーを作り、ミミたちに渡す。 やっと全員そろってから、これからのコトを考える。 「一番確実なのは、風精霊を召喚して、探してもらうことよ」 「召喚って、精霊自体を呼ぶ、高位中の高位の?」 空の意見に一番に驚きを表したのは、丈だった。 「ええ。シルフを呼び、一時契約をして、タケルくんを探す眼になってもらうの」 「千里眼ですね」 「ええ」 空に、光子郎が続く。 丈は関心深そうにフンフン頷いている。 「千里眼っていうのは?」 「『眼』のことです」 「『眼』?」 「どこまでも見れる、第三の眼です。 シルフは風、空気。この世界のすべてに平等に住んでいます。 精霊を呼び、その精霊に意思を伝え、シルフの情報網からヴィジョンを送ってもらうんです」 空さんの得意分野なんですよね。 光子郎が空に同意を求めると、空は少し恥ずかしげに頷く。 「まぁ限界はあるけど・・・タケルくんがホントに遠くに言っていない限り、見つけれる確立は高いわ」 空は、ミミに、ね、と励ますように優しく声をかけてあげる。 ミミは潤んだ瞳を上げ、大きく頷いた。 「じゃあ、外に行こう」 太一が立ち上がろうとして、窓を見ると大きく眼を見開いた。 「太一?」 そのまま突っ立っている太一に空は眉を寄せ、太一の視線を追う。 そこには・・・・・・。 「ひっヒカリちゃん!?」 窓の外で、ヒカリがヒラヒラと手を振っているのだ。 太一は空の声で我に返り、急いで窓に近づいた。 「ひ!ヒカリ!!」 バタっとやや乱暴に窓を開くと、そこには幻でもなんでもない、本物の自分の妹、ヒカリがニッコリと笑っていた。 驚きながらも窓からヒカリを入れると、ヒカリは後ろからなにやら手招きをした。 ヒョコっと太一たちが気になり、後ろを見てみると・・・。 「た、タケル・・・」 二度びっくり。 後ろに居たのは、今行方不明のはずのタケルだったのだ。 太一の素っ頓狂な声を聞き、ヤマトとミミはばっと窓辺に急ぐ。 「やっ!昨日ぶり!」 いつものさわやかな笑顔でみんなに挨拶をする。 「やって・・・タケル!お前・・・・・・!」 「迷惑かけちゃってごめんね、おにいちゃん、太一さん。 それから・・・ミミさん」 ぴくっとミミの身体が小さく揺れる。 「僕、大丈夫だから気にしないで」 「・・・・・・ぅ・・・」 じわっと今までこらえていたものが一気に溢れて来た。 「うあー――――ん!!」 ミミは何故か光子郎に抱きついて、大声で泣き喚き始めた。 これには冷静の光子郎も慌てる。 その様子を微笑ましげに見ながら、空たちはヒカリに向き合った。 「私が、お話しますね」 「なるほど・・・神殿の方に落ちたのか・・・」 それならヒカリとタケルが一緒にいれるのもわかる。 「でも・・・ヒカリ、お前神殿はいいのか?」 太一が心配そうに聞くと、ヒカリは少し寂しげに眼を伏せた。 「・・・お兄ちゃんが、堕天使側と交流を持ってるって、神殿で聞いたの」 『――――――っ』 これには太一たちもヒヤリとした。 何度か危ない橋は渡っているが、向こうは何も言ってこなかったのでばれていないと思っていたのだ」 「どうやらお兄ちゃんたちが、堕天使たちと交流を持っていると知って・・・いろいろかぎまわっているみたいなの」 実は、サーナに聞かれたあの日。 ヒカリはサーナの髪を一本拝借し、記憶を読んだのだ。 ヒカリの法力は半端ではない。 が、まだまだ経験不足ゆえにまだまだ一人前の高位階級ではないのだ。 「私、お兄ちゃんの味方だから。 このまま神殿にいたら絶対お兄ちゃんと引き裂かれちゃう」 「そこに、ちょうど良く僕が落ちてきたってワケ」 ね、とタケルはヒカリに微笑みかける。 ヒカリは、顔をあげてコクリと頷く。 「そっか・・・」 太一ははぁ・・・と深いため息をつく。 「これじゃ・・・もう向こうには行けないな・・・」 「ああ。俺たちもすぐ戻った方がいいだろう」 太一に、ヤマトも賛同する。 「そう・・・だな・・・」 太一はなんでも無さそうに言うが、瞳が揺れていた。 このまま別れたら、多分もうヤマトたちには会えない。 せっかく、また会えたのに・・・。 悔しくて、こぶしを握る。 誰にも、気付かれないように。 その間も、両者の間でちゃくちゃくと準備は進行していった――――。 コメント はぁ・・・やっとここまで来た・・・。 な、なんか当初の予定とかーなーりずれていたみたいですが・・・そろそろ軌道修正していこうかと・・・・(汗) |